阿部真央、変化を楽しみながら奏でる音楽 『Who Am I』ツアーで届ける迷いなきポジティブなメッセージ

阿部真央『Who Am I』ツアーレポ

阿部真央(写真=上山陽介)

 鍵盤を弾きながら歌う曲がここまで多いのは今回のツアーが初めてということで、正直まだ慣れていない部分もあると笑う阿部。なぜ阿部真央は挑み続けるのか。そのバイタリティはどこから来ているのか。不思議に思っていると、彼女が「READY GO」のことを「こういう自分で不器用でも素直に歩んでいこうと決めたら、行くべき道が見えるのでは? という希望」を描いた曲だと紹介し、その上で、「自分自身、わりとフラットにそういう未来に歩み始めていて」と語り始めた。今の阿部真央は自然体で迷いがない。だからこそ「あなたの輝ける未来に行けるよう、応援しているし、そういう想いを込めて歌っています」と届けられたエールソング「READY GO」には確かな説得力が宿るし、同じように、「悲しみや苦しみの中にいる人に歌いたい。絶対に抜け出せますから。周りにいる私たちが投げ出さなければ」という言葉が添えられた「Who Am I」、別れとは新たな出発であり「必ずしも悲しさだけじゃない」という実感とともに書いたという「I love you so much forever」も聴く人の心にしっかりと響くのだろう。

阿部真央(写真=上山陽介)

 ツアーファイナルを迎えるまでにも阿部真央は変化し続けるだろう。そんな中、「変わっていくことって悪くないねと、何年後かにみんなに思ってもらえるような活動をしたいですね」と阿部。変化を恐れず、むしろ楽しみながら彼女が奏でる音楽は、山あり谷ありの人生を歩みながら歳を重ねる私たちにとっての希望だ。全国にポジティブなメッセージを届ける『阿部真央TOUR2022 “ Who Am I ”』は、10月9日、福岡国際会議場公演まで続く。

『阿部真央らいぶNo.9』一夜限りの復活 自らの思考の現在地を示したドキュメンタリーのようなステージに

「東京ー!会いたかったぜーー--!!!!」  阿部真央が張り上げた声は、骨太なバンドサウンドを追い風にして遠くへと伸びていった…

阿部真央の配信ライブに感じた“心の距離”の近さ 弾き語りで力強い歌声披露した『UNITED FOR MUSIC』レポ

阿部真央の配信ライブ『UNITED FOR MUSIC -Live 60- 阿部真央』は無観客とは思えないほどに心理的な距離の近…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる