遊助、時代と向き合いながら訴えかける未来への希望 熱いエネルギーに満ち溢れた全国ツアーセミファイナル

遊助、希望のエネルギーに満ちた東京公演

 9月9日、中野サンプラザにて、遊助の全国ツアー『Are 遊 Ready Go!2022!!』セミファイナルが開催された。7月7日の立川ステージガーデン公演を皮切りに、全国15公演が行われた同ツアー。会場には、色とりどりのファッションに身を包んだ多くのファンが詰めかけた。

 遊助の登場を心待ちにするファンの手拍子が一体感を増していく中、会場が暗転。そして、海賊のようなマントを翻しながら遊助が登場し、「この船のテーマ」でライブが始まった。続く「今夜は無礼講」はアップテンポなビートに合わせ、観客のペンライトが大きく揺れると、4人のパフォーマーを従えて披露した「百花繚乱」では〈ゆらら ゆらら〉のフレーズで会場の熱気がさらに上昇する。ライブ開始早々からエネルギーに満ち溢れたステージングを見せた遊助は、「ご覧の通りカメラがあちこちにあります!」と話し始めた。「お願いはたった一つだけです。歌詞を間違えてもザワつかないでください」と苦笑いする遊助に、観客の笑い声が響いた。

 とにかく温かく、観客もバンドメンバーも巻き込んだステージングが特徴的な遊助。MCに続いて披露された「船上の音楽団 遊turing Heartbeat」では、遊助とコーラスのHeartbeatの歌声が混ざり合いハーモニーを奏でた。さらに、情熱的なギターカッティングのイントロで「FIGHTER」がスタートすると、遊助はステージを右に左に駆け回る。2階席から1階席まで見渡しながら手を振る遊助に、観客もタオルやペンライトで思いのままに応えた。

 クラシカルなタキシードを身に纏い、パフォーマーを携えて再登場した遊助は「羽」を披露。続いて「いちょう」では〈両手広げて/僕抱きしめた〉のフレーズで観客がお決まりの振りを踊り、会場はさらに一体感を増していく。すると、遊助は「前向きにチケットを握りしめたり、電車を乗り継いできてくれたり……改めて今日はありがとうございます」と語り始める。「あったかい言葉とか温度がある、みんなとの気持ちのキャッチボールを大切にしたい」と観客一人ひとりを見つめる目には、確かに愛がこもっていた。

 「透明人間」に続く「オセロ」では、〈僕なりのルートで 一勝〉のフレーズで観客のペンライトが一斉に上がった。そして「今日、明日で(ツアーが)終わりだわ、寂しい〜」とMCを始めると、公演の数日前にネットで注目を集めた“ヘキサゴン同窓会”の話題に。木下優樹菜、里田まい、スザンヌ、つるの剛士の5人で集まり「全然変わんねえなって言われた」と同窓会でのエピソードを愛おしそうに話す遊助。その姿に、ファンも笑みを浮かべた。

 懐かしい旧友とのエピソードで会場が和やかな雰囲気に包まれる中、「俺達には明日があるんだ」に続いて「ひまわり」のイントロが流れると、客席一面にひまわりの花が咲き誇った。そして、黄色の照明が緑に変化し「檸檬」に繋がる。

 「立ち位置は違うけどみんなと一緒だから。年齢もお金持ちも貧乏もここでは関係ないから」と熱く語る遊助に、割れんばかりの拍手で応える観客。遊助も「熱い拍手くれるじゃん。みんなが音楽やらせたんだから責任とれよー。責任持って幸せな未来に連れて行くんで」と熱い言葉でレスポンスをする。“明日への勇気”や“未来への希望”を訴えかける遊助は、朗らかな笑顔の中に芯がある。想いや希望をライブを通して伝え続けてくれる、そんな真っ直ぐな遊助の瞳が印象的だった。

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