遊助×N.O.B.B.、「ひまわり」からブレない音楽活動への熱量「もがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくる」

遊助×N.O.B.B.、「ひまわり」からブレない音楽活動への熱量「もがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくる」

 遊助が通算10枚目となる最新アルバム『For 遊』をリリースした。2009年のアルバム『あの・・こんなんできましたケド。』からコンスタントに作品を発表し、そのすべての作詞を遊助自身が手掛けているほか、アートワークをディレクション、遊turingでは様々なアーティストとコラボするなど、アーティストとして確固たる地位を確立した。

 そして、その遊助の音楽&ライブで欠かせない存在となっているのが、ソロデビュー曲「ひまわり」から長年タッグを組んできたN.O.B.B.(餓鬼レンジャー)。述べ250曲に及ぶという遊助ディスコグラフィーがどのように生まれてきたのか。遊助×N.O.B.B.の対談インタビューから、過去作〜『For 遊』に至るクリエイティブの全貌に迫りたい。(編集部)

遊助としてどこまでできるのかを見せる必要もあった

左からN.O.B.B.、遊助

ーー最新作『For 遊』は記念すべき10枚目のオリジナルアルバムとなります。ナンバリングが二桁に突入したことに対しての率直な感想はいかがですか?

遊助:10枚かぁ。よくここまで出してこれたなっていう感慨深さはまずありますよね。スタッフを含めた周りの人たちと、聴いてくれる人たちがいたからこそここまで続けてこられたと思うので、そこには感謝しかないです。同時に、これだけの曲の歌詞がよく自分から出てきたなってことに対しての喜びみたいな気持ちもあって。ゼロからモノ作りをするってすごく大変なことだし、自分から何も生まれなくなってしまったらそこで活動は止まってしまうわけですからね。そういう意味ではホッとしたとこもあるというか(笑)。

N.O.B.B.:デビュー以来、ほぼ1年に1枚ペースでアルバムを出してきて、トータルの楽曲数は今で250曲くらいでしょ? それを考えると「よく出てきたな」って思うのもわかる(笑)。

遊助:ジャケットなんかのアートワークに関しても全部そうですからね。絵が飛び出すとかCD盤を目に見立てるとかパズルにするとか。こんなにバリエーションがよく出てきたなって自分でも思う(笑)。

N.O.B.B.:曲以外の部分でもみんなを楽しませようっていうこだわりがすごいよね。

ーー遊助さんのアウトプットの源泉はどこにあるんでしょうね?

N.O.B.B.:遊助は音楽以外にも役者やタレントという違った表現の場所も持っていることがすごく武器だと思うんですよ。今回のアルバムの制作でも感じたけど、彼は遊助でも上地雄輔でもない別のキャラクターになりきって世界観を作り上げることができる。だからこそこれだけアルバムを作り続けてこられたところもあるんじゃないかなって思いますね。

ーー様々なインプットの場があるからこそ、多彩なアウトプットができると。

遊助:そうですね。もちろん今までの人生の中で心にストックされてきたものもあると思うし、日々の生活の中で気になることを常にインプットしてるところもあるんですけど。コンビニで聴いた誰かの曲がきっかけになって新しいアイデアが浮かぶこともあるし、SNSで最近の若い世代の素敵なアーティストと出会うこともあるので。そういういろんなものに対してのアンテナが、最近はすべて音楽に向けられている感じかもしれないです。僕には役者とかタレントとかいろんな顔があるけど、そこに最後に加わったアーティストが結局は今の自分にとってのメインになっているところがあると思いますね。野球で例えるなら、俺にとっての音楽はエースで4番みたいな感じ。そこは不思議ですよね。デビューする前までは音楽をやろうなんて一切思ってなかったのに(笑)。

ーー遊助として初のアルバムとなった『あの・・こんなんできましたケド。』(2009年12月リリース)のときはどんな感情で制作に向き合っていたんですか?

遊助:役者やタレントをすでに活動していたので、普通のアーティストじゃ考えられないようなことを遊助としてどんどん音楽に落とし込んでいきたいなっていう気持ちはありました。その上で、まず“羞恥心”(クイズバラエティ番組内で結成された3人組ユニット)のイメージを拭わなきゃいけないし、でもあまりにギャップがありすぎるのもよくないから徐々に変えていった方がいいよなって思ったり、いろんなことを考えてはいましたね。世間的なイメージからすると今はまだ“俺”じゃなくて“僕”のほうがいいよなとか、“そうじゃねぇか”って書くのではなく“そうだよね”にするとか、細かいところまでひとつひとつ意識して歌詞を書いていました。

N.O.B.B.:対外的な見られ方はもちろん、自分自身に対しても「これで合ってるのか?」みたいな自問自答は常に、冷静にしているタイプですからね。バババッと勢いで歌詞を書いているようで、実はものすごく計算されている。自分を客観的にちゃんと見た上で制作できるのはさすがですよね。

遊助:あと、デビューしたばかりの頃はレコード会社のスタッフや参加してもらうクリエイターの人たちに対して、遊助としてどこまでできるのかを見せる必要もあったんですよ。リスナーの方も含め、「こいつどこまでできんねん」「遊び半分じゃねぇの?」みたいな目で見てた人はきっとたくさんいたはずですからね。僕はそういう見られ方に対して応えていくのがけっこう好きで。ラップのフリースタイルじゃないけど、「来いよ」って手をくいくいっとされたりすると、腕まくりして「じゃやったろかい!」っていう(笑)。

N.O.B.B.:そういう思いは、遊助と初めて一緒に作った「ひまわり」(2009年3月リリースの1stシングル)のときにすごく感じましたね。まだソロとしてはライブをやっていない時期だったからお客さんの顔も見えていなかったので、お互いに何が正解なのかわからない状態での制作だったんですけど、とにかく必死に、でも楽しみながら曲を生み出すことができて。今と比べると、もう何テイクとったか覚えてないくらいレコーディングにはめちゃくちゃ時間がかかったんですけど、すごく印象的なスタートだったんです。1曲に込める熱量と楽しさ、そしてそれが完成したときに味わえる大きな喜びはそのときから今までまったく変わっていないですね。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる