『SMTOWN LIVE』 3年ぶりの日本開催に歓喜の声 アーティストと所属事務所の深い絆を感じた一夜

SMTOWN LIVE東京公演レポ

 SMエンターテインメント(以下、SM)所属の人気アーティストが勢ぞろいするショーケースライブ『SMTOWN LIVE 2022:SMCU EXPRESS@TOKYO』が8月27日・28日・29日の3日間、東京ドームで開催された。『SMTOWN LIVE』が日本で行われるのは約3年ぶり。しかも参加した16組54名はグローバルな人気を誇るビッグネームばかりとあって、会場を訪れた約5万人(総動員数約15万人)の期待は相当なものだった。

 公演タイトルに付けられたSMCUとは「SM Culture Universe」の略。現実世界と仮想世界の境界を越え、全世界が文化で繋がるという意味で、SMが望む未来のエンターテインメントがメタバース向けのコンテンツであることを表している。そしてSMCU EXPRESSは今回のテーマで、 “メタバーシャルオリジンストーリー”と新たに名付けられた、SMCUをベースにした出演者たちの世界観を拡張したものを指しているそうだ。

 『SMTOWN LIVE』は、このような独自のコンセプトを大切にしながら、各アーティストのヒット曲や人気曲の歌唱だけにとどまらず、アルバムの隠れた名曲や新曲も惜しみなく披露、さらにスペシャルなコラボレーションも次々と出てくるなど、他では観られない貴重なショーケースライブとして国内外で注目を集めている。本稿では最終日の29日の公演での注目ステージをいくつかピックアップして紹介していこうと思う。

aespa
aespa

 壮大なBGMに続いて登場したのは、世界的にブレイク中のガールズグループ・aespa。SMCUの代名詞ともいえる彼女たちはデビューヒットとなった「Black Mamba」、グループのイメージを決定づけた「Next Level」、ライブの終盤で最新ナンバーの「Girls」の3曲を熱唱、日本で単独公演を成功させた直後だけに、余裕と自信が感じられるステージングであった。

Way V

 また本公演では、NCTはもちろんのこと、NCT U、NCT 127、NCT DREAMなど派生ユニットのステージもそれぞれ用意され、ファンを楽しませてくれたが、なかでも中華圏をメインに活動するグループ・WayVには特に熱い視線が注がれた。メンバーのKUNとTENは2018年に大阪で行われた『SMTOWN LIVE』に参加しているが、グループとして日本の『SMTOWN LIVE』に出演するのは初めて。そのためか少し緊張気味だったものの、「Kick Back(Korean version)」ではシャープなダンスで盛り上げ、ラスト近くの再登場でも「Nectar」で客席との一体感を生み出すなど、自らの役目をこなしていた。メンバーのXIAOJUNが「たくさん応援をいただいて、たくさん力をもらいました!」と語っていた通り、今回のステージは彼らにとって良い経験になったに違いない。

 NCT DREAMは大ヒットした「Beatbox」と「Glitch Mode」を披露した。オフラインでは日本初披露となる。「Hot Sauce」を加えた3曲におけるフレッシュで清潔感あふれるパフォーマンスは、この編成ならではの「味」だろう。先日の日本ドームツアーが好評だったNCT 127は、ダンスフォーメーションの美しさが際立つ「gimme gimme」、アグレッシブなアレンジが耳を引く「Sticker」、終盤にヒップホップ系のワイルドなダンスポップ「Kick It」と、強力な刃群舞(カルグンム=キレのあるダンス)を見せつけて場内をヒートアップさせた。NCT Uは本来は楽曲ごとに編成を変える活動スタイルを採用しているが、今回のライブでは、まずは9人による「Universe(Let’s Play Ball)」でオーディエンスを魅了。メンバーのTAEYONGとTENの2人による「Baby Don't Stop」では、ラップ、ウィスパーボイス、パワフルなボーカルを巧みに使い分け、実力の高さをアピールした。

NCT
NCT

 そして今回のハイライトのひとつとして真っ先にあげたいのがNCTだ。巨大スクリーンに21人のメンバーの名前が次々と映し出されると、東京ドームは興奮のるつぼといえる状態に。「RESONANCE」のミステリアスなイントロが響き渡るなか現れた彼らは、大所帯ならではの迫力あるダンスで圧倒するだけでなく、激しいリズムチェンジにも難なく対応。その姿を見て、このユニットが他と比べようがないほど大きな存在だと実感した人は多かったはずだ。

 『SMTOWN LIVE』では、このような各アーティストのハイクオリティな歌と踊りとともに、数々のコラボレーションも見逃せない。最もユニークだったのが、Ado「阿修羅ちゃん」のカバー。同曲の景気のいいトラックをバックに陽気に歌うCHANGMIN(東方神起)、KYUHYUN(SUPER JUNIOR)、MINHO(SHINee)は、グループのときとはまた違った輝きが感じられた。

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