HYDE、ロッキンやサマソニなど夏フェスで残した爪痕 ソロでも示す圧倒的な存在感
今年、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』などの大型フェスに出演したHYDE。各フェスで大きな爪痕を残し、ファン以外の間でも話題を呼んでいる。
L'Arc〜en〜Cielの音楽を聴いたことがあっても、ソロ活動であるHYDEの音楽はきちんと聴いたことがないというリスナーは多いかもしれない。確かにHYDEの楽曲はL'Arc〜en〜Cielと比較すると自身の趣味性を深めている楽曲が多い印象であり、「MAD QUALIA」に代表されるように、ヘビィかつハードなロック色の強いナンバーが揃っている。中島美嘉(NANA starring MIKA NAKASHIMA名義)に提供した「GLAMOROUS SKY」もセルフカバーしているが、こちらもパンキッシュなアレンジである。このように、HYDEがソロで生み出す音楽はメタルやラウドと距離が近いことがよくわかる。
こういった背景もあって、HYDEの音楽はやや玄人向けであるという印象を持つリスナーもいるかもしれない。だが、HYDEの音楽がコアなファンにしか刺さらないものかといえば、まったくそんなことはない。今年の夏フェスでのパフォーマンスが、そのことを明白に示している。
今年の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』では、HYDEのライブをはじめて目撃した観客も多くいたようで、SNS上では美しさとパワフルさを兼ね備えたHYDEの歌声とパフォーマンスは圧巻だったという声をよく目にした。「GLAMOROUS SKY」では、MY FIRST STORYのHiroとコラボしたことも大きな話題となったが、Hiroとステージに並ぶことで、HYDEが持つ神格性が際立ち、この日のハイライトとして語る観客も多かった。
『SUMMER SONIC』のパフォーマンスでも、「LET IT OUT」のようなメタルなサウンドを放ったかと思えば、「THE ABYSS」では繊細なハイトーンボイスを幻想的に響かせて、オーディエンスを釘付けに。攻撃力のあるパフォーマンスを繰り出す一方、妖艶な表現力でも魅了するHYDEだからこその深みにノックダウンされて、サマソニのベストアクトにHYDEの名前を挙げる観客も散見された。それまでの空気を完全に塗り替えてしまう、L'Arc〜en〜Ciel不動の名曲「HONEY」の存在も際立っていた。