Lead、20周年記念ライブ『感今導祭』で見せた成長・進化した姿　さらなる高みを目指して

　終盤ブロックで「ここからはこれからのLeadを楽しんでもらいたいので！」と宣言したのち、「Summer Vacation」へ。同曲はくるくるとフォーメーションを変えながら絶えず動き続ける振りが特徴的で、まるで一つの生命体を思わせるような3人のシンクロ感が目を引いた。同曲からは4人のダンサーズも参加し、ストロング感に拍車がかかる。続く最新シングル曲「Sonic Boom」は、オンラインライブでは披露されていたものの、こうしたリアルのライブではほぼ披露されておらず、初見の人も多かったに違いない。力強いボーカル＆ラップにマーチングバンドのサウンドをフィーチャーしたトラック、高速ステップを中心としたダンスの融合はまさに圧巻だった。ギアが入った状態でなだれ込んだ本編ラストの楽曲は、彼らの近年の楽曲の中でも人気の高い「Be the NAKED」。ここでもダンス番長・古屋を筆頭に、切れ味鋭いパフォーマンスで魅せきった。懐かしい楽曲を詰め込んだ前半～中盤から、あえてグラデーションをつけずに20年選手の職人技が光る近年の楽曲に移るこの流れは、目が覚めるように鮮やかだったと思う。

　初期から現在までを通しての定番曲といえる「Night Deluxe」でスタートしたアンコールでは、この日リリースされたばかりのベスト盤『Lead the Best "導標"』のジャケット写真をプリントした特大ケーキとともにはしゃぎながら記念撮影したのち、1人ずつが挨拶。

「僕らは周りに恵まれているなと思うことが多くて。デビューした頃からお世話になっているスタッフさんはもちろん、応援してくれるみなさんも就職や結婚、お子さんが生まれたりと環境が変わっていく中でも、僕たちと共に歩んでくれたからこそ迎えられた20周年だなと強く実感しています」（谷内）

「デビューした頃はその瞬間瞬間を生きることに必死で、20年後を思い描けたことがあまりなくて。10周年を迎えた頃にようやく“こういう音楽をやっていたい、あの会場に立ちたい”と思い描けるようになった。正直言えばなりたかった自分にはまだなれていないので、20周年はゴールではなく通過点だと思っています。30過ぎた僕たちが夢を語るのはちょっと恥ずかしかったりもするけれど、そういうことを言わなくなったら終わりやなと思っていて。なのでこれからも、もっと高みを目指して頑張っていきたい」（鍵本）

「絶対忘れません、この瞬間を。まだまだLeadはこれからなので、この先もみなさんと一緒に笑いながら歩いて行けたらいいなと思っています」（古屋）

　ラストに「ここからの10年、20年、この先もずっと。僕たちがみんなの“導標”になれるように」（鍵本）と、Leadのこれまでのストーリーを1曲に詰め込んだ「導標」をパフォーマンス。当日リリースのベスト盤の最後に収録された同曲は音源自体もエモーショナルだが、時に叩きつけるような鍵本のシンギングラップ的歌唱やサビを中心とした古屋の伸びやかなボーカル、ポエトリー風味を交えた谷内の熱気溢れるラップなどで、彼らのメッセージが音源よりもはるかに説得力を持って響いてきた。

　この20年間の振り返りに加えて、成長・進化した今をプレゼンしつつ、さらに高みを目指す（Upturn）ことを明言したこの日。先日彼らに話を聞いた際には「限界を超えたところに心を動かす何かがある」と語っていたが、まさに限界突破レベルのパフォーマンスを目の当たりにして、彼らのこれからがとても楽しみになっている。

■セットリスト
1.真夏のMagic
2.Summer Madness／ファンキーデイズ！／GREEN DAYS／Sunnyday／バージンブルー／Show me the way（メドレー）
3.果てしなく広いこの世界の中で
4.TOKIO NIGHT
5.トワイライト
6.約束
7.FLY AWAY／LOVE RAIN／Still（メドレー）
8.Upturn
9.I believe
10.Dear
11.Summer Vacation
12.Sonic Boom
13.Be the NAKED

En1.Night Deluxe
En2.導標