Lead、20周年記念ライブ『感今導祭』で見せた成長・進化した姿 さらなる高みを目指して

Lead、20周年記念ライブ『感今導祭』レポ

 2002年に平均年齢14.5歳でデビューし、今年20周年を迎えるダンス&ボーカルグループ・Leadが、デビュー日である7月31日にライブ『Lead 20th Anniversary Live~感今導祭~』を立川ステージガーデンで行った。コロナ禍ということもあり、東京では約3年ぶりの有観客ライブとなったこの日はファン投票による楽曲を中心にセットリストが組まれ、通常のライブとは違ったお祭り感のあるパフォーマンスでLeaders(Leadファンの愛称)を魅了した。

 メンバーのイメージカラーである黄、青、緑のライトに照らし出されたステージで流れ出したのは、デビュー曲「真夏のMagic」だ。この日限りのステージには“振りや楽曲アレンジをゼロベースに戻してパフォーマンスする”というコンセプトがあったそうで、この曲も3人が中学生時代に踊った懐かしい振付で披露。思えばリリース当時はまだ声変わりしていなかった(!)古屋敬多が煽り役となってステージを盛り上げていく。

Lead(写真=山下 未来、青木 早霞)

 デビュー曲がそうであったように、夏をテーマにした楽曲が多い彼らが続けて繰り出したのはサマーソングメドレー。「Summer Madness」「ファンキーデイズ!」など新旧の夏をイメージした楽曲を中心にパフォーマンスしていく。「GREEN DAYS」で「振り、覚えてるかな?」と谷内伸也が客席を見渡せば、Leadのライブを体験したことがある人なら自然に体が動くレベルの定番曲「バージンブルー」で鍵本輝が「みんな、踊れるねえ!」とニヤリ。〈今からどこ行こう?〉〈久々に立川なんてどう?〉と歌詞をアレンジした「Sunnyday」でも、メンバーが顔を見合わせて笑ったりハイタッチするなど、久々のライブを心の底から楽しんでいる様子が伝わってきた。

 初期の名曲の一つで、かなり久しぶりの披露となる「果てしなく広いこの世界の中で」のイントロが流れると、客席で小さくガッツポーズをする人も。キラキラしたシンセサウンドが印象的な「TOKIO NIGHT」、スタンドマイクで歌からラップまでを抒情的に聴かせた「トワイライト」(GOING UNDER GROUNDのカバー)と進んでいくが、続く「約束」では古屋の〈もう絶対離さないよ 約束した 場所へ導く〉の力強い歌声に引き込まれた。ファン人気が高く、聴きやすいメロディ重視の楽曲が並ぶ。

 MCでは観客に向かって「久しぶり! ちょっと身長伸びた?」などと親戚との会話のようなトークで笑わせつつ、「こういうご時世なのでいろんな場所から参加してくれた方とも、参加できなかった方とも、同じ思いで今日という時間を共有したいと思っています」(鍵本)と語りかけた。20年を振り返ったエピソードトークでは、デビューから10年近くメンバーで共同生活をしていた時代を振り返り、“伸也壁ドン事件”(注:夜ふかし癖のあった古屋が連日、朝迎えに行っても起きてこないため、堪忍袋の緒が切れた谷内がマンションの壁を殴ったところ穴が開いた)を挙げた鍵本、谷内に古屋が改めて「その節はすみませんでした!」と謝罪する一幕も。Leaders同様に3人もこの日を待ちわびていたとのことで、「ホント会いたくて、寂しかったよ。やっぱりLeadはLeadersがおらんといかんっちゃね。でも会えなかったぶん、みんなを思う気持ちが強くなるとも感じています。遠距離恋愛みたいな感じかな……」と古屋が福岡弁を交えてポツリ。そして「今日は湿っぽいのはなしにしよう、笑っていこうと決めたんですよ!」とも。

 続いて、冒頭のメドレーとは空気感の異なる、切なくシリアスさも漂う楽曲「FLY AWAY」「LOVE RAIN」などをメドレーで披露。デビュー当時の楽曲もジャケットプレイなどを交え、ぐっと大人な雰囲気で魅せていく。4人体制の第1章最後のリリース曲で苦悩を感じさせるような歌世界が印象的な「Still」から、Leadersのクラップが鳴り響く中、一転して視界が開けるような第2章の始まりの曲「Upturn」へと移る。この流れは15周年を記念した2017年の『感今導祭』と同じなのだが、どこか脆さや危うさを抱えていた当時よりもまっすぐに楽曲と向き合うような3人の表情が印象的だった。

Lead(写真=山下 未来、青木 早霞)

 続けて一時期のライブの定番曲で、明るく爽やかなイメージの強い彼らの楽曲の中でも陰影を感じさせるミディアムバラード「I believe」を披露。星空のように照明がきらめく中で披露した「Dear」にはアコギやピアノの音色があしらわれ、普段はラップ担当の谷内も同曲では落ち着いた歌声を聴かせていた。

 MCでは「ここまでのブロックでは自分たちの中でも大事な曲を集めました」(鍵本)と語り、先述のようにアレンジや振付をオリジナルのものにすることにこだわったため、昔の自分たちの出演番組を参考にしたそう。『ピカピカプリンス』(※テレビ東京で2003~2004年に放送)など、懐かしい番組の話題で盛り上がっていた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる