jon-YAKITORY feat. Yupman「謀反くん」チャート好調 中毒性ある歌詞と歌声に集まる注目

 ボカロP・jon-YAKITORYが無名の歌い手・Yupmanを迎え、先日発表した新曲「謀反くん」が話題だ。

謀反くん / jon-YAKITORY feat. Yupman -MUHONKUN-

 jon-YAKITORY feat.Yupman「謀反くん」は7月29日にLINE MUSICにて先行配信を開始すると、「ソングTop100」のデイリーチャートにていきなり3位を記録。そこから引き続き上位をキープし、7月27日~8月2日のウィークリーチャートでも6位に初登場。「ボーカロイド・歌い手Top50」では『ONE PIECE FILM RED』主題歌であるAdo「新時代」などの話題曲を抑えて一時デイリー1位を記録するなど、順調に成績を残している。8月5日からは各音楽配信・サブスクリプションサービスなどでの配信もスタート(※2)。同曲のさらなる広がりに期待がかかる。

 ネット上ではこの曲について「中毒性がある」「歌詞が好き」「Yupmanって誰?」といった声が続出。歌詞やサウンドのキャッチーさに加えて、謎のボーカリスト「Yupman」の正体についての憶測も広がっているようだ。

刺激的な歌詞と巧みなトラックの融合

 「謀反くん」はまずその歌詞に注目が集まっている。歌い出しで独特のリズムを刻みながら歌われる〈あんたにゃわかんないよな〉には、張り詰めた緊張感があり惹き込まれるものがある。続く〈いくら泣いてもらったっていい〉から始まるBメロは、畳み掛けるような怒涛のボーカルが印象的。

 トラックが盛り上がりそのままサビに雪崩れ込むと、〈「ごめんなさい、ごめんなさい」〉といったキャッチーな節回しが耳に飛び込んでくる。特にサビ後半における〈なあ俺が人殺しなら/あんたは俺殺しだ/お互い様でいいだろ?〉のフレーズは強烈な表現だ。

 アイデアあふれる音作りも見逃せない。ベース音を軸に進行していく序盤から大胆に展開していく全体の曲構成もさることながら、低い鍵盤を力強く叩くピアノの打鍵音、鈍いハンドクラップ、事件性を漂わせるサイレンの音の多用、3種類を重ねたという銃声(※1)、アコースティックギターのクリーントーンなど、細部も工夫が多い。

 終始怪しげで、どこか狂気性・暴力性を孕んだ作りが怖くもあり痛快でもある。刺激的なリリックとそれを乗せた巧みなトラックの組み合わせが、見事な調和を生んでいる一曲だ。

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