関ジャニ∞メンバー分析 第1回:大倉忠義、人知れぬ努力続けるスタンス 後輩へ継承する“ジャニーズイズム”
デビューから18年を祝うスタジアムライブ『18祭』を日産スタジアムとヤンマースタジアム長居で4日間、累計25.4万人を動員し、会場を彩る打ち上げ花火とともに無事完走した関ジャニ∞。同時に4大ドームツアーも発表され、さらなる盛り上がりを見せている。8月13日には『METROCK 2017』以来、5年ぶりの野外フェス出演となる『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』に挑む5人の魅力に注目したい。第1回は大倉忠義。
グループ最年少メンバーから大きく成長
1997年にジャニーズ事務所に入所し、関西ジャニーズJr.として活動をはじめた大倉忠義。関ジャニ∞の前身ユニットからメンバーが脱退した際に、新しいドラマーとして安田章大から推薦される。自身も努力を重ねた結果ジャニー喜多川のお眼鏡にかない、グループ加入を果たした。グループの中では最年少で、途中加入であることから苦悩した期間もあったとゲスト出演した『TOKIOカケル』(フジテレビ系)で明かしていたことも。
しかしながら、甘い顔立ちと抜群のスタイルの良さであっという間に注目を集め、ライブ会場でも大倉のメンバーカラーであるグリーンのアイテムを身につけたeighter(関ジャニ∞ファンの呼称)がライブを重ねるごとに増えていったことを筆者も記憶している。全くの未経験から、現在ではプロミュージシャンも一目置くドラマーに成長するまでには、人知れぬ努力の積み重ねがあったに違いない。またステージ上での大倉に注目すると、華のあるダイナミックなダンスが特徴であるように思う。高身長であることからも一際目を引く存在感を持っているが、カウントや振付に忠実であり、どんなジャンルでも安定感のあるパフォーマンスを見せる。
そして現在の5人体制になって大きく変化したのが、ボーカルスキルである。グループの冠番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)の「ボイトレ特集」で、多数のアーティストのボイストレーニングを担当する講師が出演。その収録後に大倉自らがアポイントを取り、受講を志願したという。後日レッスンの様子が番組内で放送されたが、大倉は「グループの曲も、高音が出る方が幅も広がるので」と語り、グループに貢献したいという強い意志を窺わせていた。常に努力し続ける大倉のスタンスに多くのファンが感動し、SNSには賞賛のコメントが多く寄せられた。
演出家・プロデューサーとしての功績
そして大倉のもうひとつの顔が、“大倉P”としての姿だ。SNSでは常に最新情報を発信し、アンケートやハッシュタグを活用しながらファンとの関係性を深めている。関ジャニ∞のライブ演出をはじめ、グッズのプロデュースも担当しているほか、なにわ男子を筆頭に関西ジャニーズJr.のプロデュースも手がけている。ドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で、ツアー『関ジャニ’sエイターテインメント GR8EST』に帯同し、京セラドームの舞台に立つデビュー前のなにわ男子に対し「楽しむこと、この景色を忘れないこと、自分たちの力で(京セラドームに)帰ってくること」と、現役アイドルならではの目線も加えたアドバイスを送っていた姿が印象的だった。
また『教えてもらう前と後SP』(TBS系)になにわ男子 西畑大吾が出演した際も、大倉とのエピソードを明かしていた。“今も胸にしながら活動している言葉”として、グループ結成当時悩んでいたという西畑に大倉が言った「井の中の蛙やねんから、もっと大きい世界を見ろ」というアドバイスを挙げ、「大倉くんについて行けば間違いない」と思ったと告白。さらに、大倉がプロデュースを手がけた『関西ジャニーズJr. LIVE 2021-2022 THE BEGINNING〜狼煙〜』では、Aぇ! groupのオリジナル曲「PRIDE」についてメンバーの末澤誠也にした「歌いこなせたらジャニーズとしての革命になる。メインボーカルは末澤って分かる曲があったほうがいい」というアドバイスがあったからこそ、難易度の高い同楽曲を喉が限界になるまで必死にパフォーマンスできたと明かされている(※1)。
大倉の演出家としての姿について、ジャニーズの演出家の第一人者である松本潤が『関ジャム』にて評価していた。松本は「ジャニーズのカテゴリーの中で、肩に力が入ってないラフさを感じる。メンバーの個性を、それぞれがラフでいることでグループの個性としている」と分析し、また関西ジャニーズJr.の演出についても「関ジャニ∞よりコンパクトにテンポよく、それぞれのフォーマットに合わせて作ってる」とコメント。演出家としての頭角も現してきた大倉。後輩からも信頼を置かれ、“ジャニーズイズム”を継承していく姿に、今後も期待が寄せられる。