花澤香菜、SCREEN mode、高橋李依、高野麻里佳……声優の主題歌起用、実写作品でも増加中?

 声優が、実写作品の主題歌に起用される機会が増えている。

 昨今の声優は、声をキャラクターにあてたりキャラクターソングを歌うだけでなく、本人名義やユニットなど、アーティストとして楽曲をリリースすることも多い。それらが自身が声優として出演したアニメ作品の主題歌になったり、リリースだけでなくライブ活動も行うなど、声優が歌手として様々な場で活動する機会が増えている。楽曲の実写作品での起用となると未だ数は多くないものの、徐々に活発化してきているのも確かだ。

 2011年放送のドラマ『スイッチガール!!』(フジテレビTWO)に水樹奈々の「Love Brick」が起用されたのが、実写作品への声優進出の発端のひとつだったと捉えることができるだろう。当時、声優とアーティスト活動を並行して行う者は今ほど多くなかったものの、本ドラマのプロデューサー東康之による「声優、そして歌手として今最高に輝いている『奈々様』をどうしてもドラマ界にお招きしたかった!」という思いからタッグが実現したという(※1)。水樹は本作品でナレーションとしても出演したほか、『スイッチガール!!』の続編『スイッチガール!!2』(2012年)の主題歌「Happy☆Go-Round!」も担当しており、継続して実写ドラマへの進出を果たした先例となった。

「Love Brick」
「Happy☆Go-Round!」

 2015年には、花澤香菜が自身が主演を務めた映画『君がいなくちゃだめなんだ』の主題歌を担当。2012年にソロアーティストとしてデビューして以来、声優としてだけでなく歌声でも高い評価を得てきた花澤。幼少期から子役として活動していたこともあり、映画や舞台、テレビCMといった実写出演や、声優としての活動もアニメ出演に留まらずナレーションや吹き替えなど、幅広い活躍を見せてきた。声優のマルチな活躍がスタンダードとなる前からの積極的な活動で、声優界に新風を吹かせていた存在である。そんな花澤は2021年7月、テレビ東京とSpotifyがタッグを組んだ、ポッドキャスト連動型のオリジナルドラマ『お耳に合いましたら。』のオープニングテーマも担当。ポッドキャストパーソナリティとして奮闘する女性を描いたドラマの主題歌に声優アーティストが抜擢されるのは、パーソナリティと声優の、声の仕事という共通点からもぴったりだろう。オープニング曲「Moonlight Magic」はシティポップ的なサウンドに花澤のキュートな声が乗る、リラックスした雰囲気が癒される楽曲。それこそポッドキャストやラジオといった音声コンテンツのオープニングテーマにもなりそうな明るいメロディで、ドラマを穏やかに彩っている。

花澤香菜「Moonlight Magic」Music Video

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