TWO-MIXトリビュートアルバムで再発見する新しい魅力 angela、やなぎなぎ、緑川光らが表現する色褪せない普遍性
2020年に結成25周年を迎えたTWO-MIXの名曲を、angela、やなぎなぎ、緑川光、米倉千尋など、ゆかりのある声優や人気アーティストがカバーした、トリビュートアルバム『TWO-MIX Tribute Album “Crysta-Rhythm”』が7月27日にリリース。本作には『新機動戦記ガンダムW』前期オープニングテーマ「JUST COMMUNICATION」を始め、『名探偵コナン』オープニングテーマ「TRUTH〜A Great Detective of Love〜」など多くのヒット曲を収録。時代を超えて愛され続けている、TWO-MIXの楽曲の持つ色あせない普遍性を感じさせる作品になった。
TWO-MIXを代表するガンダム曲を4曲収録
TWO-MIXは、『名探偵コナン』の江戸川コナン役などの声優を務める高山みなみと音楽プロデューサー・永野椎菜によるユニットで1995年に結成、同年『JUST COMMUNICATION』でCDデビューを果たした。シンセサイザーをメインにしたサウンドメイクと、キャッチーで耳に残るメロディライン、ハイトーンを駆使した高山みなみの情緒豊かなボーカルが特徴。全作詞を永野椎菜が担当、ほとんどの作曲を高山が手がけており、声優アーティスト、“声優×クリエイター”によるユニットの先駆けともなった。
アルバム『TWO-MIX Tribute Album “Crysta-Rhythm”』には、『新機動戦記ガンダムW』シリーズの楽曲を4曲収録しており、本作の聴き所のひとつとなっている。
『新機動戦記ガンダムW』前期オープニングテーマ「JUST COMMUNICATION」は、angelaがカバーし相性の良さを発揮。原曲の高揚感はそのままに、デジタルサウンドはKATSUのギターやバンドサウンドに置き換えられ、atsukoのエネルギッシュなボーカルによって、楽曲の根底に広がる熱さとダイナミックさが倍加した。『新機動戦記ガンダムW』後期オープニングテーマ「RHYTHM EMOTION」は、やなぎなぎが担当。原曲の宇宙空間を想像させる壮大なシンセサウンドは美しく神秘的なピアノと、疾走感を流麗なストリングスで表現するなど意外性溢れるアレンジが魅力。やなぎなぎの儚さを湛えたボーカルが、楽曲の憂いを見事に映し出した。
OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』主題歌「WHITE REFLECTION」は、『新機動戦記ガンダムW』の主人公、ヒイロ・ユイ役を演じた声優である緑川光がボーカルを務めた。原曲は、まるで粉雪が散るようなキラキラとしたシンセと、バキバキと打ち鳴らされるシンセベース、そして包み込むような柔らかさを持った高山みなみのボーカルが魅力の楽曲となっている。緑川光は、優しく温かい歌声を響かせており、同曲を新たな次元へと導いたと言えるだろう。そして、劇場版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別編』主題歌「LAST IMPRESSION」は、自身も『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』オープニング主題歌「嵐の中で輝いて」と同ED主題歌「10 YEARS AFTER」でデビューした経緯を持つ米倉千尋が担当。バラードのように美しく歌い上げる前半から、情熱的で激しいサウンドへと変化するのは原曲と同様。米倉千尋の真っ直ぐで、透明感あふれるボーカルが実に爽快だ。
前述の緑川光の他にも声優アーティストが参加し、作品に彩りを与えている。1980年代のアイドルの楽曲や歌謡曲を数多く手がけて知られる馬飼野康二が作曲を務めた「T・R・Y -RETURN TO YOURSELF-」は、『マクロスF』のランカ・リー役として歌った「星間飛行」で知られる中島愛が歌唱。原曲の持つキャッチーさとメランコリックさを、みずみずしく表現した。また、「LIVING DAYLIGHTS」を『ウマ娘 プリティーダービー』のトウカイテイオー役でも人気のMachicoが担当。ストレートで力強いボーカルは、ハイトーンを駆使する楽曲ともマッチし、空に突き抜けるような歌声で聴く者を魅了してくれている。