TETSUYA(L’Arc-en-Ciel)、進化し続けるエネルギッシュなステージ 20年分の感謝伝えたアニバーサリーライヴ
アンコールでは、TETSUYAがこの日初めてベースを持ち、L’Arc-en-Cielのライヴの定番曲でもある「Driver’s High」をIKUO(Ba)のヴォーカルで演奏。セクシーな歌声とTETSUYAの小気味いいベースプレイで大いに盛り上げた。
2度目のアンコールでは、「誰がために鐘は鳴る」「FATE」など、ダークで重厚感のある音世界を展開。心の叫びのようなシャウトが胸に迫る。そして、ピアノの流麗なイントロが印象的な「白いチューリップ」では、壮大なメロディに抱かれるようなスケール感もありつつ、どこかピースフルな空気に包まれた。
3度のアンコールに応え、再びステージに姿を現したTETSUYAが歌ってくれたのは、L’Arc-en-Cielの「瞳の住人」。その切なげなヴォーカルが心に深く沁みる。揺らめくかがり火の炎、マイクスタンドの光、客席のペンライトがすべてオレンジ色に輝き、叙情感溢れる雰囲気を漂わせていた。
さらに「暑いけどまだ元気ある? まだいける?」という呼びかけから、「Are you ready to ride?」へと突入。すると、ブルース・ ブラザーズ風の黒スーツ姿の男性ダンサーBananaman Brothersの2人が現れ、会場は一瞬にしてダンスフロアに。そして迎えたラストナンバー「流れ星」では、情感に満ちた歌声と優美なサウンドに乗せて、客席のスマホのライトが次々と点灯していく。それはまるで、星が瞬いているかのような鮮やかな光景だった。TETSUYAが「20年間、ここまで連れて来てくれてありがとう。キレイな景色を見せてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします! TETSUYAを好きになってくれてありがとう!」と感謝の気持ちを伝えると、場内から温かい拍手が沸き起こった。
時代の変化を見極め、新たなアプローチに果敢にトライしていく姿勢、またパフォーマンスを磨き上げていく逞しさとパワフルさ。この日のステージは、そんなエネルギーに終始満ち溢れていた。20周年を経てなお、弛まず進化を続けるTETSUYAの次なるフェーズがここから始まろうとしている――そう確信した一夜だった。