DOBERMAN INFINITY、オールラウンドであり続けるための挑戦 多ジャンルを乗りこなした大ボリュームのアルバムを語る
大きな曲がたくさんできたらからこそ欲しかった“小さな曲”
ーー「オトコ白書」では、ジャマイカ発祥の音楽=スカに初挑戦しました。これはどんなテーマで作った曲ですか?
KAZUKI:まず、スカをやろうというスタッフさんからのアイデアから始まったんですよ。テーマはすべての男にある、ダサい部分というかイタイ部分を歌おうと。
KUBO-C:バカ男あるあるです(笑)。
GS:この曲はサウンドを聴いたとき、「この曲やる?」ってまず引っ掛かった部分がありました。ちょっとアダルトじゃないですか。
ーーオーセンティックなスカですよね。演奏はすべて本場ジャマイカのミュージシャンが手掛けています。
KAZUKI:ジャマイカに渡すためのスカの骨組みのDEMOがまずあって、ミュージシャンに楽曲のイメージをよりわかりやすく伝えるために、僕がそこにコード進行とメロディをつけて、ジャマイカのOgataさんにアレンジをお願いしたんです。そしたら現地のミュージシャンたちが演奏してくれて、めちゃめちゃ本格的なカッコいい曲になって返ってきたっていう。
GS:こういう曲調だからコミカルになりすぎるのは怖いなと思いつつも、一皮剥けた感じも欲しいしっていうところを考えて進めていきました。こういう曲って “大人の男たち”っていう雰囲気がするんですよね。
ーーバカ正直な男の笑えて切ない愚かさを描いた、ある意味、自虐ソングですからね。
GS:そう。それぞれのヴァースにはバカ男のいろんな場面があるので、どれか1つはたぶん当てはまると思います(笑)。
ーー「GOOD DAY」は、今リバイバルしている80年代風のポップなブギー調の楽曲です。
GS:気軽に楽しんでもらえるような曲っていうところがスタートでした。でも、ただ単にそれだとダメだから、内容の部分ですごく考えましたね。〈難解な数式の解き方〉という歌詞は、“こうやったら解けるんだよ”ということだけを教えてくれていたんじゃなくて、こんなに難しい数式を解こうとチャレンジして見つけた人がいたんだという、踏み出すことの素晴らしさを表現したかった言葉なんです。
KAZUKI:そういう部分も入れながら、どんな大人になったとしても新しい世界に飛び出す勇気を持っていたいっていうことを全体のテーマにしたんですよね。
ーー「Don’t stop the music」は、ファンキーなギターリフが印象的なダンス曲でした。
GS:これも音からですね。アルバム制作の序盤の曲だったからこそ、こういう面白いサウンドっていうことで飛びついたんです。その後、「オトコ白書」とか「キミワズライ」とか、今回のアルバムを象徴するような変化球なサウンドがどんどん出てきてちょっと埋もれちゃった部分があるんですけど、僕らの中では音ですぐ決めた曲でした。
ーー「キミワズライ」も「JENGA」も、この曲のアレンジを担当しているCorey K & Jeffrey Yooが手掛けています。このコンビによるトラックはまさに変化球で、本作で良いアクセントになっていると思いました。
GS:「キミワズライ」も異質でしたね。日本のプロデューサーさんが作ると、Aメロ、Bメロ、サビ、Dメロとかあるんですけど、「キミワズライ」を最初に聴いたときは構成がわからなくて、「これ、どこ?」みたいな。
KUBO-C:ぐちゃぐちゃやったな(笑)。
ーー13曲目の「有無」は、ヒップホップ×ダンスホールレゲエといった感じの曲ですが、まずタイトルの読み方を教えてください。
SWAY:「ウム」です。
ーー「アリナシ」じゃないんですね(笑)。
SWAY:でも、「アリナシ」な曲です(笑)。
KAZUKI:話しちゃいけないってことになってるんですよ、この曲のテーマに関しては(笑)。
ーーでも、こういう曲もグループにとっては挑戦ですよね。
SWAY:24曲あるから、今回はできたことがたくさんありますね。
KUBO-C:遊び心あるものも増えたし。
SWAY:最初って、とりあえず大きいものを作りたくなるんですけど、大きいものがたくさんでき上がると「あれ、小さいものがないな?」「面白味がないね」みたいになってくるんですよ。だったら個人的な“アレやりたいコレやりたい”をもっと入れていこうということで、「Backstage Freestyle」もできたし、この「有無」もできたんです。「有無」がパッケージ盤の12曲に入らない理由はそこです(笑)。
GS:12曲の枠では使えないですよ、この曲は(笑)。