Mrs. GREEN APPLE、フェーズ2初のEP『Unity』がチャート好調 変革期経て到達したバンドスタイルからの解放
活休中のメンバーはボディメイクをしたりダンスを教わっていたそうで、収録曲「ダンスホール」のMVもかなりのインパクト。バンドでありつつ本気のダンスもこなすグループといえば、DISH//でしょうか。いやL’Arc〜en〜CielやOK Goもその先駆者にあたるかもしれません。そういえばFear, and Loathing in Las Vegasもライブで踊っていたな……と必死に記憶を辿ってみますが、ものすごく前例が少ないのは事実。理由は、ロックバンドに根付く禁忌の意識でしょう。
多くのバンドは客を踊らせることが大好きでも、自分たちで踊りだすことを是としません。バンドであれば、まず本気で演奏して渾身のエモーションを届け、その先に拳を上げてくれる観客のイメージがある。となると「ダンスグループじゃないから、自分たちは踊らない」という発想になるのは当然。
スタートが幼馴染でもなく軽音部でもなく、ましてやロック幻想でもなかったMrs. GREEN APPLE。“メジャーで通用する音楽のため”に集まった彼らの、縛りなき強さはフェーズ2で思う存分発揮されそうです。シンガーソングライター asmiを迎えた「ブルーアンビエンス」は思わず歌ってみたくなるアッパーなデュエットソング。さらにラストの「Part of me」は、シンプルなピアノ伴奏によるバラード。どこまでも伸びていく大森のファルセットに「バンドたるもの」といった根性論は感じられません。
より自由に、より美しく、より解放的に。新境地を最も表すのが『Unity』のジャケットではないでしょうか。見れば見るほど良いデザインです。