『セーラームーン』インスパイアのグループ SG5が初ライブ アメリカ『Anime Expo』出演、世界進出への第一歩をレポート

SG5、アメリカ『Anime Expo』で初ライブ

 テキサス、シカゴのアニメイベントを経てロサンゼルス入りしたメンバーは、この日のパフォーマンスに「実感がわかない」と率直な感想を口にしていた。RUIは「自分たちが思っていた以上に、それぞれの場所でみなさん盛り上がってくださる感じがあって、毎回新しい刺激をもらっています」と語り、RURIはシカゴでのパフォーマンスを経て「ファンの方々は、声援や拍手で反応してくれて、温かいな、優しいなと思いました」と勇気づけられていると言う。SAYAKAは「私たちのことを全く知らないお客さんなのに、初めてのパフォーマンスでもウェルカムな感じで迎えてくれて、初めてじゃない感覚があります。日本の文化を愛している方が多いんだということを再確認しました。もっともっと日本の文化を発信していけるSG5になれたらいいなと思います」と語る。

 KAEDEは、アメリカデビューがまだ信じられないそうだ。「日本で活動していたときには想像すらしていなかった、夢のまた夢のような大きなステージに今こうやって立って、実際にパフォーマンスをしているのが、まだ不思議な感覚です。これって今、現実なのかなと思えるくらい、アーティスト人生の中で新しい挑戦ができることが嬉しい。アメリカで初心に返っています」と思いの丈を述べる。「みんなに全部言われちゃった(笑)」としながら、MIYUUは「セーラームーンの楽曲がかかると、どこの会場でも『うわー、知ってるー!』となるくらいみんな盛り上がっていて、日本にいるよりも偉大さを実感しています。『美少女戦士セーラームーン』を通じて私たちのことも知っていただけるなんて、いい機会をいただいていると思います」とまとめた。

 AX3日目の夜に行われたメインイベント『Masquerade』では4曲が披露された。「ムーンライト伝説」が流れると、満席の会場は大歓声で迎え入れる。AXに集う漫画、アニメファンなら誰もが知っている楽曲で始まったSG5のパフォーマンスに続き、猛特訓したという英語のMCとメンバー紹介へと続いていく。KAEDEが「I usually play video games. I like Apex Legends!」と言うと、会場から大きな歓声が。また、SAYAKAが「Please call me Sacchan!」と言うと、会場からも「さーちゃん」の声が聞こえ、RUIの「I love noodles!」というMCには拍手が起き、親和性を高めていった。RURIは最近ゴルフを始めたと明かし、MIYUUは「モチ肌がチャームポイントです。Do you know Mochi?」と聞くと、観客は「Yes!!!」と答える。そしてAXらしく、メンバーたちが好きなアニメの話や、『東京リベンジャーズ』のなかで好きなキャラのトークなどで、共感ポイントを集める。その後、「LETTUCE」「FIRE TRUCK」「TOO MUCH」と続けて楽曲を披露し、観客を完全に自分たちのペースに巻き込むことに成功した。

 テキサス、シカゴ、そしてロサンゼルスといくつかのアニメイベントに参加してみて、ファンのクリエイティビティに驚かされたとKAEDEは言う。「みなさんのコスプレのクオリティが高くて。オリジナルのものをそのままというより、自分たちが思うキャラを自分流に表現していますよね。メンバー間で話題になったのが、スタジオジブリの『崖の上のポニョ』のコスプレで、傘を差して水滴を演出し、コップの中にポニョを入れて歩いている女性がいて、『すごいオリジナリティだ』と感動しました」。これは、SG5が『美少女戦士セーラームーン』とコラボレーションし、ブラッドポップのダンストラックを載せることで自分たちの世界観を表現していることにもつながる。『美少女戦士セーラームーン』やSG5を媒介に、ファンの一人一人がそれぞれの“日本”を楽しみ、好きになってくれることを願っているという。

 毎年10万人以上のアニメファンが集う北米最大のアニメイベント、今年は過去最大4日間で40万人が来場した『Anime Expo』で世界デビューの第一歩を刻んだSG5が、今後どのように自分たちのオリジナリティを表現していくのかが楽しみだ。

※1:https://www.rollingstone.com/music/music-news/j-pop-group-sg5-members-sailor-moon-1372829/

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