泰葉「フライディ・チャイナタウン」がバイラル急上昇 リバイバルヒットした今改めて注目したい独自のグルーヴ感

参照:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2022-06-23

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの6月23日付のTOP10は以下の通り。

1位:ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」
2位:泰葉「フライディ・チャイナタウン」
3位:FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」
4位:AJR「World’s Smallest Violin」
5位:Miles Teller「Great Balls Of Fire - Live」
6位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
7位:Musical Youth「Pass the Dutchie」
8位:さとうもか「melt bitter」
9位:3OH!3「Touchin on My」
10位:DJ TATSUKI, IO, MonyHorse「TOKYO KIDS」

 ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」の首位が続くバイラルチャート。その理由は既出の通り、Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4の影響(※1)だが、以降もキャリア初の米国ビルボードチャート10位内にランクインするなど、快挙を連発している。同曲のオリジナルリリースが1985年。その数年前、1981年にリリースされたのが今回2位にランクインした泰葉の「フライディ・チャイナタウン」だ。80年代リリース曲が1位と2位を飾った今回のバイラルチャート。80年代リバイバルが一過性のブームではなくなって久しいが、また新しい動きが出てくるのではと期待せずにいられない。

 「フライディ・チャイナタウン」がバズを起こすきっかけとなったのは、韓国出身のDJで、日本のシティポップや歌謡曲をリミックスして名を馳せているNight Tempoが、2021年11月にポストしたTwitterだ。そこには「昭和の音楽でLAの2000人が合唱する不思議な世界線に僕らは生きています。」という言葉とともに、彼のDJに熱狂するフロアの様子をアップした。この時彼がスピンしていたのが「フライディ・チャイナタウン」のリミックスである。

 この動画は世界中で拡散され、2022年6月下旬現在で約6000件のリツイート、2万件以上のいいね、動画は約80万回再生を記録している。この盛り上がりは、時期を同じくして当然のようにTikTokにも派生したが、原曲の音源が配信されていなかったため、TikTok内の動画ではリミックス音源やカバー音源が使われていた。またTikTok内でバズを起こした際、“フライデーチャイナタウン”“フライディチャイナタウン”“フライディ・チャイナタウン”などハッシュタグが多岐に渡っており、冒頭のワンフレーズ〈It's So Fly-Day Fly-Day CHINA TOWN〉から広がった曲であったと考えられる。上位3つのハッシュタグを合計すると、現在、視聴回数が1650万回に達している。

フライディ・チャイナタウン/ 泰葉 Official Lyric Video

 今なお注目を集める中、5月25日、原曲である泰葉の「フライディ・チャイナタウン」がデジタルリリースされ、サブスクリプション音楽配信サービスでも解禁となった。同時に同曲の新リリックビデオも公開され、ボブa.k.aえんちゃんが手掛けたレトロ可愛い女の子のイラストが話題になっている。また、デビュー前の藤井 風がピアノの弾き語りでカバーした動画から同曲を知ったという人も多く、そのコメント欄には「原曲を聴いて歌のうまさに驚いた」という書き込みも多々ある。

Yasuha (泰葉) - Flyday Chinatown フライディ・チャイナタウン カバー

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