Night Tempoが語る、中山美穂という“個性” 日本の80年代カルチャーと音楽への深い愛

Night Tempoが語る、中山美穂という“個性”

 「Plastic Love」(竹内まりや)、「真夜中のドア〜stay with me」(松原みき)の世界的ヒットに象徴される、日本のシティポップムーブメントの中心的存在であるNight Tempo。今年5月にリリースされたコンピレーション『Night Tempo presentsザ・昭和アイドル・グルーヴ』(工藤静香、Wink、斉藤由貴などの楽曲のリエディットバージョンを収録)も注目を集めている彼が、「昭和グルーヴ」シリーズ第8弾『中山美穂 – Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ』をドロップ。中山美穂の代表作である「CATCH ME」(作詞・作曲/角松敏生)、「WAKU WAKUさせて」(作詞:松本隆/作曲:筒美京平)を現代的なダンスチューンにアップデートさせ、原曲の魅力とNight Tempoのクリエイターとしての個性がバランスよく反映されたトラックに仕上げている。「昭和グルーヴ」のコンセプト、中山美穂の魅力、日本の80年代カルチャーへの愛着などについて、Night Tempo自身に語ってもらった。(森朋之)

初めて聴いた日本のポップスが「CATCH ME」だった

ーー今年5月に『Night Tempo presentsザ・昭和アイドル・グルーヴ』をリリース。反響はどうですか?

Night Tempo:このシリーズは長く続けたいんです。「作品を重ねることで徐々にシーンになる」ということを考えながら制作しているし、反響も少しずつ増えていて。思ったよりも反応があるし、いい感じですね。

ーー昭和のポップスをリエディットする際に意識していることは?

Night Tempo:以前は好き勝手にやってたんですが(笑)、今は「ここの歌詞を活かしてほしい」といった要望もありますし、原曲の良さ、作家の方々の色を守りながら、自分の個性を出すようにしています。両方のいいところを混ぜるような感じというか。難しいですけどね。

ーー新作『中山美穂−Night Tempo Presents ザ・昭和グルーヴ』も、まさに原曲の魅力とNight Tempoさんのクリエイターとしての個性がバランスよく体感できる作品だと思います。まず「CATCH ME」ですが、Night Tempoさんが昭和のポップスに傾倒するきっかけになった曲だとか。

Night Tempo:10代の頃、初めて聴いた日本のポップスが「CATCH ME」だったんです。それまで可愛らしい、女の子らしい曲を歌うことが多かった中山美穂さんが、アーティストに変わるきっかけになったのも、この曲だと思います。彼女の色を変えた1曲と言いますか。とにかく「カッコいい曲」という印象がいちばんですね。リエディットに関しては、原曲のキャラクターがとにかく強いので、大きく変えることができなくて。もともと「昭和グルーヴ」には、原曲を知ってもらうという目的もあるので、今の若い人がノレるサウンドにしたいという気持ちもありました。クラブで流せるようなトラックにアップデートできて、満足してますね。

ーーこの曲の歌詞についてはどんな印象を持ってますか?

Night Tempo:「CATCH ME」はドラマ(フジテレビ系『おヒマなら来てよネ!』)の主題歌ですが、僕にとっては、当時のアニメに出てきそうな気が強い女の子のイメージもありますね。夜遊びしていて、ちょっと悪い子になっているというか。そういう歌詞を男性の角松敏生さんが書いているのがすごいし、おもしろいなと思います。

ーーNight Tempoさんは、角松敏生さんのファンであることも公言していて。

Night Tempo:はい。「CATCH ME」がきっかけなんですが、自分が好きだなと思う曲の作者を調べていくうちに、角松敏生さんや山下達郎さん、竹内まりやさんのことを知って。角松さんの80年代の作品は、ほとんどレコードやカセットテープで揃えています。角松さんは当時、遠く離れている欧米のトレンドをほぼリアルタイムで仕入れ、ご自分の楽曲に取り入れていました。しかも“そのまま”ではなく、曲の展開を増やすなど、日本人的なところも加えて、国内でヒットさせていたのはすごいことですよね。生演奏も素晴らしいですが、僕自身は角松さんが打ち込みの機材を使っていた時期の作品がカッコよく聴こえます。

ーーそれがNight Tempoさんの音楽的なルーツなんですね。2019年の年末に、角松さんと初めて会ったそうですね。

Night Tempo:それほど長くお話はできなかったのですが、ベストアルバムのカセットにサインをいただきました。僕の活動を知ってくれていて、「曲も聴いてるよ」と言ってもらえて嬉しかったです。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる