蒼井翔太、「coRe」に込めた“変わらず、変わる”ということ ライブやファンへの核心を語る
昔よりも飾らずに自分が出せるようになった
——ここからは、最初におっしゃっていた「この3年間の中でやりたいなと思っていたこと」について。まず、本ツアーのコンセプトはどのように考えてましたか。
蒼井:一番は歌と声を伝えることです。もちろん、歌やパフォーマンスだけではなくて、衣装やセットもフルで使って、ショーのような目で楽しめるライブをするのが僕の夢なんです。でも、今回はライブツアーがひとつ開催できなくなってしまって、3年ぶりということで、何を一番に伝えたいかなと思った時に、やっぱり自分の変わらないもの——さっき話した“声”ですね。ファンのみんなは、直接ライブで会えない間に不安になることもきっとあったと思う。でも、再会した時に「蒼井翔太は変わらないな。でも、すごく新しい!」って思ってもらえることが一番だなと思って。だから、今回はセットを極力シンプルなものにして、素敵な映像を使いつつ、自分のできる歌とダンスの幅をなんとか前面に出して伝えることが一番やりたかったことですね。
——歌と声を伝えたいというコンセプトの中で、ダンサー6人を従えたダンス曲をはじめ、アップテンポのナンバーがメインになっていましたが。
蒼井:それは、新しい一面を見せたいという思いからですね。今まではバラードが途中に入って、しっとりとした蒼井翔太を見せてきたんですけど、最初から最後まで突っ走っている自分は見せてなかったんです。あとは、楽曲が本当に幅広いので、その幅を見せながら、あっという間に過ぎてしまったという夢のような時間を作りたくて。だからしっとりした曲でもリズムがあったりとか、皆さんの鼓動というか心拍数を休めずに最後まで走り切りたいと思ってました。
——各パートではどんなステージを見せたいと考えていましたか?
蒼井:まず、スタートから3曲で蒼井翔太の楽曲の幅をしっかりと見ていただけたかなと思うんですね。ひとつの衣装で色んな幅を見せられることで、みなさんに不思議な感覚を感じていただけたかなと思います。あとは、ドキュメントで暴露されてますけど、ちょっとしたハプニングがあって。2曲分を一回巻き戻して、もう一回やり直すという。蒼井翔太のライブはハプニングが結構、起きたりするんですよ。時にはてんとう虫が舞い込んで、MCそっちのけでてんとう虫を救出したりとか(笑)。音源が途中で切れたけど、最後までアカペラで歌い切ったりとか。ライブは生ものだなと感じると同時に、度胸も身につけさせてくれています。
ーー初日のライブの出来映えはいかがでしたか?
蒼井:僕はいい意味で捉えてるんですけど、今回のライブも、初日は初日の120パーセントを出していながら、回を重ねるごとに『coRe』というものにもっともっとのめり込んで、最終的には東京ガーデンシアターで本当に自分の『coRe』から弾けることができたというか。誤解を恐れずに言えば、徐々に自分を表現できたライブになっていったのかもしれないですね。
——久しぶりの有観客でのライブはどうでしたか。お客さんは全員マスクで、声は出せない状態での観覧になりましたが。
蒼井:もちろん、声が聞けないのは寂しいですけど、ステージ上から皆さんのマスク越しの笑顔が見えて。その時点で、会えてよかったな、みなさん楽しんでくれてるなって気持ちが伝わりました。あとは、ドリンクタイムからMCに入るまでの間を初日から皆さんが拍手でつないでくれて。声を出しちゃダメって言われた時、伝える術はどういう形がいいのか、いろいろ考えますよね。今回の拍手は、みんなで相談してやったわけではなく、一人一人が色々と考えてたどり着いた結果だと思うんですね。みんなが考えてきてくれた時間が僕の心の中に流れ込んできて、すごく感動して鳥肌が立ちましたね。言葉じゃなくて、気持ちそのものを渡してくださってる感じがして。温かい空間だったなと思いましたし、感謝しています。
——「タッチ ツー テイク トリコ」では、観客と一緒に踊ったりもしました。
蒼井:リハーサルしたはずなのに、僕の方が覚えてなかったっていう(笑)。時々、後ろのダンサーさんの動きを見て、確認しながら踊ってましたね。本当はフラッグ曲だったんですけど、今回はグッズでフラッグを出してないということで、サイリウムで一緒にやって。皆さん、すごく好きな曲だと言ってくださいますし、他にも参加型で一体感を生み出すことができる時間をもっと作りたいと思い、後半にリズムゲームを模したコーナーも作ってみて。蒼井翔太のマスコットキャラクターが茶々を入れたりしてましたけど、皆さん笑顔になってくれたんじゃないかなと思います。
——ビジュアル面でこだわったのは?
蒼井:衣装ですね。僕の中でもいろんな変身ができるひとつの要素でもあるので、本当に今までになかったかっちりとしたフォーマルなスーツからドレス衣装まで。最初は『DIMENSION』ツアーの衣装で、ゼブラ柄は挑戦でした。
——ここまで幅広い衣装を着たいと思っても着こなせる人は他になかなか見当たらないですよ。特にスカートのようなドレスは。
蒼井:そこは、これが蒼井翔太だというところのひとつだなって思いますし、なくしたくない自分のポリシーのひとつでもありますね。今でこそ自分に自信を持って着てますけど、歌いたい曲、やりたい演出も含めて毎回チャレンジではあります。男性声優ではなかなか前例がないと思うので、ファンの皆さんの「よかった」「好きです」というコメントはありがたくて。でも、自分のやりたいことが世間ではどう思われているのかはなかなかわからないので、途方のない旅ではありますけど、それが僕の中では心地いいという部分もあって。面白いことをやってるなって思われたいし、それが蒼井翔太だな、チャレンジしてるなと自分では思いますね。
——翔太さんではなく、ダンサーさんの方が着物を羽織るシーンも意外でした。
蒼井:そうなんですよ。普段はバキバキでキレのあるダンスをしてくださってますが、「MURASAKI」では日本舞踊のように、いろんな小道具を使って舞ってほしい、和を演出してほしいというお願いをして。一人一人、羽織も変えて、ちょっと女形のようにしてみたり。あそこは演出してて楽しかったですね。
——彼らも初めての挑戦だったでしょうね。
蒼井:あははは。なかなかないですよね。でも、さすがプロと言いますか、いろんなアイテムを使いながら、すぐに形にしてくださって。その環境にもありがたさを感じました。
——ドキュメント映像を見て驚きました。衣装を始め、演出の細かいところまで関わってるんですね。
蒼井:そうですね。今回のドキュメンタリーで結構、映していただいてたんですけど、『WONDER lab.』が始まった頃から、自分の中で湧いてきたアイデアに関しては、たとえ反映されないとしても、しっかりと伝えることを心がけてやっています。これまでも自分の頭にふって浮かんできたビジョンに正直に、信じることで作ってきたところがあって。今まではクリエイティブな蒼井翔太を表には出してきてなかったので、そこも注目してほしいです。今後もクリエイティブな部分をもっともっと駆使して、いろんな演出につなげていきたいと思っているので、未来を見据えながら楽しんでいただけたらと思いますね。
——ドキュメントの中では「影アナは仕事で、ライブはパーソナルな居場所」と語っていましたが、ご自身にとってライブという場所をどう考えていますか。
蒼井:間違いなく僕のパーソナルな部分を皆さんに包み隠さずに出せる場所だなと思います。元々、ライブは僕の思いとみなさんの思いをぶつけ合える場所なんですけど、それでいて、昔よりも飾らずに自分が出せるようになった。歌手になる前に、渋谷公会堂で歌ったことがあるんですが、そこが歌手になるきっかけになった舞台で、生まれて初めて「自分でいいんだ」って思えた感覚をまた味わえるところです。
——「自分のままでいいんだ」という思いにプラスして、より飾らずに自分が出せるようになったのはいつからですか。
蒼井:2019年の『WONDER lab. I』の時かな。「I am」という楽曲を作詞作曲させていただいて。自分にとって大嫌いだった時代から今に至るまでを包み隠さずに書いている楽曲なんですよ。“僕ってこういう人間です”って名刺代わりになるくらいの曲なんですけど、言葉の強さやネガティブな部分も含めて、僕が感じてきたことをそのまま全部詰め込んだ楽曲になってて。ライブでの演出としても、当時思っていた文章を全て書き出して、画面いっぱいに羅列したんですね。あれが、僕の中の全てをさらけ出した瞬間でもあって。その曲を歌い終えて、ツアーが終わって、背負っていたものがひとつ、いい意味でおろせたんですよね。そこからかもしれないです。全部出してるつもりだけど、まだまだ僕自身がわかっていない面があるから、そういうところを自分で見つけながらも、みんなにも見てほしい、共有したいという思いも強くなってきましたね。
——ライブのMCでは新曲を制作中とおっしゃっていました。時期は未定ですがツアーも決定しています。今後の展望も教えてください。
蒼井:新曲、制作中です! お知らせはもう少し先になると思いますが、有言実行です。また新しい蒼井翔太を見ていただける楽曲になると思うし、たぶん、驚くと思います。そして、次のツアーがあるということだけでも目標になるので、それまでにまたいろんなものをインプットして、今までにないものを作り上げられたらなと思います。あとは、やっぱりライブなんだけど、ひとつの大きなショーがしたいという夢があるので、そこに近づけるように頑張っていきたいなと思っています。
——楽しみにしています。今後、アーティスト活動と声優業、俳優業をどのように進めていきますか。
蒼井:僕はそれぞれ通じていることが必ずあると思ってて。演技から得て歌に反映できるものもあるし、歌でやってきたものが声優の活動にもつながっているので、どちらを優先することなく、しっかりと二足のわらじ……あわよくば、もっともっといろんなことにチャレンジしていきたい人間なので、「脚が足りないよ〜」っていうくらい(笑)、いろんな靴をはいていきたいですね。
■リリース情報
ライブBlu-ray『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』
発売日:2022年6月29日(水)
価格:¥7,700(税込)
※初回製造分のみ:スペシャルBOX仕様、別冊28Pフォトブック付き
収録内容
<DISC1>
01.Tone
02.ブルーバード
03.Eclipse
04.絶世スターゲイト
05.タッチ ツー テイク トリコ
06.Powder snow
07.月下の華
08.Checkmate
09.硝子のくつ
10.MURASAKI
11.零
12.flower
13.UNLIMITED
14.give me ♡ me
15.Shake Shake! Together!
[ENCORE]
16.奪えないもの
17.Existence
18.START!!
<DISC2>
SHOUTA AOI LIVE DOCUMENTARY ~make a coRe~
◆Blu-ray予約はこちら:https://lnk.to/livewonderlab-core
■イベント情報
蒼井翔太ライブBlu-ray『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』発売記念 バースデーイベント
日時:2022年8月11日(木・祝)15:00スタート(14:00開場)
場所:都内某所
内容:トークショー
詳細はこちら:https://www.shouta-aoi.jp/news/?id=907
■関連サイト
蒼井翔太公式 HP: https://www.shouta-aoi.jp/
蒼井翔太YOUTUBE OFFICIAL CHANNEL: https://www.youtube.com/c/aoishoutaKING
蒼井翔太 Twitter: @shouta0811aoi
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