蒼井翔太、「coRe」に込めた“変わらず、変わる”ということ ライブやファンへの核心を語る

蒼井翔太「coRe」に込めた思い

 蒼井翔太が、自身約3年ぶりとなるライブツアー 『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』のBlu-rayを6月29日に発売する。同ツアーは、2021年12月から2022年2月まで、福岡、愛知、宮城、大阪、東京の全5箇所で開催。Blu-rayには、東京ガーデンシアターで行ったツアーファイナル東京公演の模様(DISC1)とツアー全公演のバックステージの様子を含む、ライブツアーのドキュメンタリー(DISC2)が収録されている。

 今回のリアルサウンドでのインタビューでは、3ぶりとなった全国ツアーからツアータイトルの「coRe」に込めたもの、そして蒼井翔太のライブの表現について聞いた。(編集部)

「変わらず、変わる」というものを改めて表現したい

ーーまず、3年ぶりの全国ツアー『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』を無事、完走した心境から聞かせてください。

蒼井翔太(以下、蒼井):みなさん、一人一人の大きな覚悟と決断を感じたツアーになりましたね。ファンの方々は、大勢の人が集まる会場にくることは大きな覚悟が必要だったと思うんです。もちろん、来たかったけど、会場には来ないで配信を選択した方も大きな決断をしたと思う。また、このツアーにはすごくたくさんのスタッフさんが関わってくださってますけど、メンタル的なことも含め、徹底的な対策をしてくださった。そして、ステージに立った僕としては、この3年間の中でやりたいと思っていたことを全て注ぎ込めたライブになったなと感じました。

ーーライブ映像では、ファイナル公演の最後に目に涙が浮かんでいましたね。ドキュメント映像にはステージを下りた後に涙を流す場面も収められていましたが、どんな思いでしたか。

蒼井:安心感があったのかなと思います。このツアーの前に、ピアニストの方と僕の二人だけで全ての楽曲を歌い上げる武道館でのオンラインライブ『うたいびと』があって。今後の蒼井翔太を左右するかもしれないというくらいの大きな覚悟を自分に課したライブを経て、3年ぶりに実際に皆さんにお会いできるライブツアーが始まって……3年も空いているので、自分の中で進んでいなきゃいけないというプレッシャーを感じながらも、ツアーでは、約3年間の中でお互いに膨らませあってきた“会いたい気持ち”や“大好きな気持ち”を確かめ合えた実感があったんです。ツアータイトルの「coRe」には「核心」という意味があるんですけど、「確信」とも言い換えられるなと感じて。本当にみなさんとお互いの気持ちを共有して、“確信”しあえた。そんなツアーが終わってしまうことが寂しくもあったんです。でも、応援してくれているみんなの愛があったからこそライブができたという感謝の気持ちもあるし、完結するという意味ではめでたくもある。安心、喜び、寂しさ、感謝……僕の中でいろんな感情が入り混じって、膨らんで、パンっと弾けた瞬間だったなと思います。

——ツアータイトルの「coRe」にはどんな思いを込めましたか。

蒼井:常日頃から自分は「変わらず、変わる」という目標の元で活動しているんですが、「蒼井翔太とは何ぞや?」っていう変わらないもの/変えたくないものはちゃんと中心にあって。でも、側面には、いろんな楽曲、いろんな衣装、いろんなパフォーマンスがあって、七変化していく。いろんな姿の新しい蒼井翔太を毎回見てもらいたいという、もう何層にも重なった僕の奥の奥に強い芯があるんです。だから、今回は「変わらず、変わる」というものを改めて表現したい、自分の中心にあるものをしっかりと見せたいという思いから、「coRe」という単語を使わせていただきました。

——「R」だけ大文字ですが、なぜでしょう?

蒼井:この3年間の中で、予定は立てていたけど開催できなかった『蒼井翔太 LIVE 2020 WONDER lab. DIMENSION』というツアーがありました。その時間を取り戻したいという気持ちも少しはあったけど、いつからか取り戻すというよりも、未来のことを前向きに考えていきたいと思うようになったんですね。そこで、3年ぶりにファンのみんなと再会して、ここから改めて再スタートを切りたいなと思って。だから、“R”を大文字にした“Re”を潜ませることで、再会=Re:unionや再スタート=Re:startという意味も込められたらいいなと思っていました。

——なるほど。だから、アンコールの最後を「START!!」で締めくくったんですね。

蒼井:そうです。コロナ禍が始まった頃から、本当に一人一人ががむしゃらに自分自身と向き合って、一歩でも進んでいようっていう方が増えたと思うんですね。僕もその一人で、止まってしまっていても、何かしら、みんながこのあとついてきてくれるようなレールをもっともっと敷いていきたいと思ったし、そのレールを敷けば敷くほど、もっともっと一緒に新しい景色を見に行けるなという思いもあって。そういう思いを「START!!」の歌詞にも込めているので、言葉としても感じてほしいというところもあって、「START!!」にしました。

——では、蒼井翔太さんのコアとはなんですか? 言葉にできるものでしょうか。

蒼井:みなさんが、目と耳で確認していただくこと以外は難しいんじゃないかな。いろいろと表現はできますけど、言葉だとうまく伝わらなかったり。今回のライブ映像を観てもらったり、この先の蒼井翔太のライブを実際に観てもらって、皆さんにこれが蒼井翔太なんだろうなと体感してもらいたいですね。

——それぞれが自由に“蒼井翔太らしさ”を感じて、捉えていていい?

蒼井:いいと思います。僕の中でひとつの型にハマるということは一切ないので、みなさんが見ている蒼井翔太、受け取ってもらった蒼井翔太でいいと思います。僕はそれがいちばん嬉しい。

——常に変わり続ける中で絶対に「変わらないもの」とは?

蒼井:感謝かな。ありきたりな言葉になってしまうけど、みなさんが応援してくださっているからこそ、今の活動ができていると思うんです。僕をいろんな面で支えてくれているスタッフさんにももちろん感謝しています。そこは変わらないところですね。あとは、自分のアイデンティティ、なくてはならないものというと、やっぱり自分が自分らしくあるための“声”。そこは絶対に変わりたくないし、自分らしく表現してきたものは変えたくないなってずっと思ってますね。

——MCの最後におっしゃっていた「出会ってくれてありがとう、見つけ出してくれてありがとう、大好きになってくれてありがとう、いつもそばにいてくれてありがとう」がコアの部分なんですね。

蒼井:そうですね。このツアーでは歌わなかったんですけど、僕が作詞作曲させてもらった「ずっと…」の歌詞なんですよ。いつもはその曲に乗せて感謝を伝えることができるんです。最後にその言葉がふっと出てきたので、心の底からの「ありがとう」を伝えました。

写真=小境勝巳

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる