BTSの“最高の瞬間はこれから”ーー『Proof』で伝えたかった想いと「防弾会食」での7人の本音に重なるもの

 開始20分が過ぎ、「方向性」というキーワードが出てRMが語り始めると、雰囲気が少し変わった。本当にこのチームでよかったという気持ちを前置きとして語りつつも、2020年の「ON」の活動以降抱えていた葛藤を吐露した。「Butter」などの楽曲で活動しながら、グループの方向性が少し変わったことを感じ、自分が歌詞や曲を通して何を伝えたくて、どんな話がしたいのかもわからなくなってしまったという。これまで、それらを大切にしながら世界中にメッセージを届けてきたRMにとってはとても苦しいことだったように思う。また、ここでRMが言及していたK-POPグループやアイドルたちが置かれるシステムへの懸念は、彼らがこの後に語った活動体制の変化にも繋がっているだろう。

 これに続くようにJIMINも、ファンであるARMYに伝えたいことと伝えられないこと、自分たちがどんな歌手でありたいのかということに対する悩みを明かしていた。SUGAも制作に関しての葛藤があることを伝え、それぞれがチームとしてと個人としての切り替えや時間の持ち方に対しての考え方を語った。

 こうしたさまざまな状況から、『Proof』までをBTSの第1章とし、これからは第2章に突入していくことを決めたという。会食の中では涙を見せていたJ-HOPEがソロ活動のトップバッターを務めるというが、Vも慎重に準備を進めているため見守ってほしいと話した。これまでも各メンバーがソロ曲やミックステープで個性を発揮してきたBTSだけに、どのような作品が届けられるのか様々な想像がかき立てられる。それぞれの時間を過ごし、また一段階成長して戻ってくるというJUNG KOOKの言葉に期待して応援していたら、いつかARMYの元にいい知らせが届くようだ。

 この映像が公開されてから、7人が語った言葉の一部を切り取って報じるケースも見かけた。もちろん彼らの語った苦しみや葛藤を無視して、前向きな部分だけを聞き入れることが正しいわけではないが、一人のARMYとしてBTSの第2章を応援したい。

 「Yet To Come」の曲名の通り、彼らにとってもファンにとっても“最高の瞬間はこれから”だ。

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