『阿部真央らいぶNo.9』一夜限りの復活 自らの思考の現在地を示したドキュメンタリーのようなステージに
そして2つ目が、この日初めて披露された新曲で、次のツアーのタイトルにもなっている「Who Am I」だ。本人いわく「搾取される愛」「自分を見失うほど愛に枯渇した状態」を描いたというバラードは、時に泣き声を上げるように、時に驚くほど静かに歌う姿が印象的。「READY GO」にも通ずるメッセージを悲しく孤独なバラードに昇華した。
また、MCでは、ライブでのみ披露される曲「母の唄」を除けば、今回のセットリストは“それは愛ではない”と歌う「dark side」に始まり、“それは愛ではなかった”と歌う「Who Am I」で終わる構成になっていたことに言及した。「Who Am I」の歌詞が全て過去形、つまり過去の出来事を一人称が振り返る歌になっているのは、“つらい経験も歌や言葉にすることで渦中にいる人のヒントになるのでは”という願いからだそうだ。そんな物語性も感じられるライブで自身の思考の現在地、アーティストとしての最新モードを提示した阿部真央。この日のライブ中に発表された通り、9月からは3年ぶりの全国ツアーがスタートする。そこではどんな姿を見せてくれるのか。
■セットリスト
1.dark side
2.お前が求める私なんか全部壊してやる
3.まだいけます
4.pharmacy
5.ふりぃ
6.どうにもなっちゃいけない貴方とどうにかなりたい夜
7.テンション
8.morning
9.今夜は眠るまで
10.Sailing
11.ふたりで居れば
12.I Never Knew
13.K.I.S.S.I.N.G.
14.どうしますか、あなたなら
15.READY GO
16.答
17.君の唄(キミノウタ)
18.モットー。
19.I wanna see you
20.ポーカーフェイス
21.ロンリー
22.Who Am I(新曲)
23.母の唄