BE:FIRST、全国ツアーやフェス出演を前に知っておきたいライブのポイント 3つの観点から解説
初の全国ツアー開催を発表したBE:FIRST。9月からの4カ月間で17都市25公演を回り、全国各地のBESTY(BE:FIRSTのファンの呼称)により近い距離でパフォーマンスを見せる予定だ。また、8月12日の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』、8月20日・21日の『SUMMER SONIC 2022』、8月27日の『音楽と髭達2022 -My Home Town』など、今夏には外部フェスへの出演も数多く発表されている。そこで今回は、BE:FIRSTのライブで注目したいポイントをダンス、歌、MCなどの3つの観点から解説。ファンはもちろん、初めて彼らのライブを見る方にも予習を兼ねてチェックしてほしい。
己の強みを昇華した7人のパフォーマンス
7人全員が歌って踊るBE:FIRSTの一つ目の持ち味は、高次元のダンスだ。結成から1年足らずではあるが、そのレベルの高さはすでにお墨付き。初めて見る人やダンスに詳しくないという人でも目を見張るものがあるはずだ。しかしそれは、決して一糸乱れぬ動きが特徴であるということではない。SOTAやRYUHEIなどとりわけダンスを得意とするメンバーを中心に、7人それぞれが個性を強く持った上でグループとしてのパフォーマンスに己の強みを昇華していることも押さえておきたい。“揃っている”“キレキレでかっこいい”という段階を超え、観客を一層楽曲の世界観に惹き込むような表情や熱のこもった力強い動きで、ステージを重ねるごとにパフォーマンスクオリティを一つ、また一つと上げていくのだ。個々のパフォーマンスの魅せ方が美しいのはもちろんのこと、それが7人揃うと圧倒的な華やかさとなる。
関連して「本番の強さ」も彼らのアドバンテージである。毎回、どれだけ遠くの席にいる人にも最前列と変わらないほど大きなエネルギーをステージから届けてくれるため、どこの席からでも楽しめるのではないだろうか。例えどんな大きさの会場でも、そこにいる全ての人の視線を奪い、気づけば息をするのも忘れているーー全国ツアーも、そんな空間になるはずだ。
異なった声質を楽しめる歌
7人の異なった声質を楽しむことができるのもBE:FIRSTのライブの魅力だ。例えば、「Brave Generation」ではロックテイストのサウンドでエッジボイスを得意とするSHUNTOの楽器のように鳴らす声が、「Bye-Good-Bye」ではJUNONの華やかな高音が、「Gifted.」や「Move On」では艶やかで深みのあるRYUHEIの歌声が、楽曲ごとに異なるドープな世界観へと聴く人を引き込んでいく。強く根を張ったように安定したMANATOのボーカルスキルや、ファルセットと地声の切り替えで楽曲を伸びやかに彩っていくLEOの甘い歌声が聴こえてきたと思えば、RYOKIの爆発力ある歌声によって会場は熱気を含み、SOTAのスキルフルな低音ラップに心拍数が上がっていく。
個性溢れる歌声が1つの楽曲の中で調和するのはとても難しいようにも感じられるが、異なる歌声があるからこそ、声質にピッタリとはまった各々の得意分野で能力を存分に発揮することができる。「Kick Start」はその代表的な楽曲であり、特に過去のワンマンライブではリレーのようにバトンを繋いでいく歌声が七色の虹をかけていくような照明の演出も見ることができた。激しいダンスパフォーマンスを披露する楽曲でもヘッドセットではなく常に歌声がしっかりと拾われるハンドマイクを使用することから、彼らの生歌唱へのこだわりが見て取れるだろう。