新連載「lit!」第4回:恋汐りんご&望月みゆユニット、神宿、フィロソフィーのダンス……サウンドを楽しみたい女性アイドルの新譜
カラフルスクリーム『カラフルライド』
関西を中心に活動している7人組の2ndシングル。ハードロック調の軽快なサウンドは定番ですが、メンバーのボーカルの配置・使い方に制作サイドのセンスの良さを感じました。7人の声質を考慮して歌うパートを振り分けているためか、スムーズに流れて聴きやすい。いちばんのお気に入りは早口言葉風のユニークなラップ。その間に挿入される〈ふ~いえぃ!ふ~いえぃ!〉〈ピンポンパンポン〉といったフレーズとともに、ライブで披露したらかなり盛り上がりそうです。サビのユニゾンのコーラスもファンと一緒に歌うべく作ったような感じがしますね。このようなJ-POPならではのサウンドスタイル、もっと評価されてもいいと思います。
フィロソフィーのダンス『愛の哲学』
アイドルの可能性を広げてくれた“ベスト・フォー(最高の4人組)”が、満を持してリリースしたメジャー1stアルバム。インディーズ時代は70年代の洋楽、特にソウルやファンクなどをお手本にした玄人受けするサウンドを中心にしていた彼女たちは、メジャーデビューするにあたり、より幅広い層をターゲットにしたスタイルを追求するようになりました。その成果を1枚のアルバムにまとめたわけですが、大衆性を失わずにロックや80年代ディスコ、ハウスと短期間でいろいろと挑戦してきたことを再認識。さらに単なる既発曲を並べるだけでなく、リラックスしたラップが心地良い先行配信リリース曲「ウォータープルーフ・ナイト」や、グループが伝えたいものを明確に表現したアルバムタイトル曲などを通して、グループの“これから”もしっかりと伝えるあたり、やはりフィロのスはただ者ではありません。
仕事柄、「K-POPアイドルは歌も踊りもレベルが高い」という話題になりがちです。だからといって「それに比べて日本のアイドルは……」とは言いたくありません。日韓のアイドルの違いは単なる「違い」であって「優劣」ではないのですから。どちらも魅力的な存在であることに変わりはないので、その違いを純粋に楽しみながら聴いてくださいネ!