HKT48は王道アイドルソングで戦うーー宮脇咲良と歩んできた矢吹奈子、日本のアイドルとしての覚悟

 6月22日にリリースされるHKT48のシングル表題曲「ビーサンはなぜなくなるのか?」で、矢吹奈子がセンターを担当することが発表された。矢吹は2018年5月リリースの11stシングル表題曲「早送りカレンダー」で田中美久とダブルセンターをつとめたが、シングル曲での単独センターは今回が初めてとなる。

 矢吹は2018年10月から約2年半、日韓合同グループ・IZ*ONEのメンバーとして活躍。HKT48からは宮脇咲良も同グループに参加していた。2021年5月に矢吹はHKT48に復帰したが、宮脇が6月19日をもってグループを卒業し、2022年4月からはLE SSERAFIMの一員として韓国を拠点に活動を始めた。

 矢吹、宮脇のことをIZ*ONEで知り、それをきっかけにHKT48について興味を持ったファンも少なくはないのではないか。そこで今回は、あらためてHKT48はどんな魅力を持っているグループなのかを紹介していきたい。

 まずHKT48のポイントとして挙げられ続けているのが、仲の良さである。2011年11月26日、ステージデビューとなった『手をつなぎながら』劇場公演時、総合プロデューサーの秋元康が「あなたたちの先輩のSKE48はダンスがすごい。NMB48はトークがおもしろい。それぞれにいいところがあります。君たちはとにかく、仲の良さで勝負しなさい」とアドバイスしたのは、よく知られている話である。

【第0話】 HKT48、劇団はじめます。 【ドキュメンタリー】

 HKT48のYouTubeチャンネルの2021年1月29日配信回「【第0話】HKT48、劇団はじめます。【ドキュメンタリー】」でもHKT48の魅力について、田中美久は「本当にめっちゃ伝えたいんですけど、すっごくすっごくすっごく、HKTは仲が良いんですよ」と力説すれば、堺萌香は「楽屋のなかでは、ひとつの話題をみんなで話すことも多くて」と明かした。本村碧唯は「卒業も何回も考えたけどメンバーが好きで」とグループの仲の良さが踏みとどまる理由になっていると語った。

 もちろん、紆余曲折はたくさんあった。書籍『HKT48 成長記 腐ったら、負け』(2015年/角川春樹事務所)には、なかなか結束できなかった初期の頃や、2012年に指原莉乃がHKT48に加わることになったときに広がったグループ内の動揺などが記されている。そういった複雑さが入り混じった時期も経て、「メンバー同士の仲が良い」という、アイドルグループとしてひとつの理想の形を作り上げた。

【LIVE】ビーサンはなぜなくなるのか?(HKT48 LIVE TOUR 2022~Under the Spotlight~)/HKT48[公式]

 「ビーサンはなぜなくなるのか?」で放たれているHKT48のアイドルらしいキラキラ感は、お互いに思ったことをちゃんと伝え合えるような、グループの関係性とそのまとまりからきているのではないだろうか。

 矢吹と同じくIZ*ONEで活動したAKB48の本田仁美が初センターをつとめた楽曲「元カレです」は、本田の圧倒的なダンススキルを軸にして世界照準のパフォーマンスを見せた。対して矢吹が中心となったHKT48の「ビーサンはなぜなくなるのか?」は、日本のアイドルの王道性を大いに感じさせるものだった。特に、歌詞に出てくる〈さざ波〉をあらわす腕の動きは、ライブ映像でも思わずそのパートを何度も観てしまうようなキュートさと、誰もが真似をしたくなるキャッチーさがあった。1980年代のアイドルブーム時の楽曲を思い出させるような、いかにもアイドルらしい魅力が漂っている。



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