TOMORROW X TOGETHER、グループの成熟と個々の進化 カムバックでの変貌を見せたショーケースレポ

TXT、グループの成熟と個々の進化

 5月9日、TOMORROW X TOGETHERが4thミニアルバム『minisode 2: Thursday’s Child』でカムバックした。

 前作『The Chaos Chapter: FIGHT OR ESCAPE』からおよそ9カ月ぶりの新作となる『minisode 2: Thursday’s Child』は、曲調やコンセプトの変化とともに、TOMORROW X TOGETHERによるアーティストとしての成長がみられる一作として注目を集めている。

 本稿では、5月9日に開催されたメディアショーケースをレポート。メンバーたちが同ミニアルバムに込めた想いや今後の活動に向けた意気込みなどを伝える。

TOMORROW X TOGETHER
TOMORROW X TOGETHER

 本作でのカムバックに先立ち、「MESS」「END」「HATE」「TEAR」といった4バージョンのコンセプトフォトを公開することで、“別れ”にまつわる様々な感情を表現していたTOMORROW X TOGETHER。タイトル曲となった「Good Boy Gone Bad」では、別れを経験した純粋な少年たちがダークな感情に飲みこまれていくさまが、激しい曲調やパフォーマンス、そしてメンバー一人ひとりの複雑な表情演技から見事に映し出されている。

TOMORROW X TOGETHER

 過去作とは一線を画すテイストをもった同曲について、HUENINGKAIは「ジャンルは、ロックサウンドが加味されたハードコアHIPHOP。初めて別れを経験した少年が、喪失感や怒りなど様々な感情に押し寄せられたりするのですが、そうしたことが激しくダークに表現された曲です」と紹介。そして「このコンセプトを聞いたとき“ついに来たな”と感じました。少年が出会いや恋を経験し、自分の世界を拡げていきつつ成長した姿をみせていく。別れというテーマも、成長過程で避けられない出来事だと思います。別れによって新しい感情に気づいていくこともある。こうした新しいコンセプトの曲を準備しながら、知らなかった自分の姿を発見したりして、一歩ずつ成長できたと思います」と語った。

 また、同曲のラップメイキングに参加したYEONJUNは「自分のしたい話を曲でお聴かせできるチャンスができて良かったです。これまでやったことのないジャンルだったので、更に積極的に作業しました」と、制作中の心境について明かしていた。

 一方、カップリング曲「Trust Fund Baby」はインディーポップ風情のあるバラードナンバー。同曲についてBEOMGYUは「お金が無ければ、愛することもできない世の中に対するシニカルな情緒を盛り込みました」と解説し、「去年リリースした『LO$ER=LO♡ER』で“少年はお金さえあれば現実を抜け出し、愛を守ることが出来る”とお伝えしたのですが、結局愛を守ることに失敗したあと、夢と愛をすべて勝ち取る“金のさじ”を見ながら感じる虚脱感を表しました」と、過去作からの連続性を示唆した。

 YEONJUNとともに「Trust Fund Baby」の作詞を手がけたTAEHYUNは「“彼らの人生にはないゲームオーバー”という歌詞があるのですが、これは僕がゲームをしていてインスピレーションを得た部分です。ゲームをするチャンスすらキャッシュで得るということがありますから、ここの部分は多くの方が共感できると思います」と、自身の体験が創造源になったことを明かした。

 “Z世代を代弁するアーティスト”と称されるTOMORROW X TOGETHER。デビュー以来初めて、アルバム全曲のクレジットにメンバーが名を連ねた『minisode 2: Thursday’s Child』は、これまで以上に若い世代からの共感を呼ぶ作品となりそうだ。TAEHYUNは「僕は、普段感じていることについて曲作りをしています」「全ての世代が共感してくださればと思いますが、特に現実の壁にぶつかって途方に暮れている同年代の方々が共感を得てくださればと思います」と伝えた。

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