平井 大、『HOPE / WISH』に収められた変わりゆく2年間 心と肌で感じる、日常を綴った“音楽日記”

平井 大『HOPE / WISH』に綴られた2年間

 今年4月に発表された「「いつも通り」のキセキ。」は、自身のパートナーの出産という奇跡に際しての思いが、平井らしい言葉と温かくやさしいボーカルで歌われた。〈責任重大だ〉〈おじいちゃんになっても現役さ〉などユーモアにも溢れ、うれしさと照れくささが感じられる。カメラのシャッターを切り続ける平井の姿も想像され、聴いているこちらも思わず笑顔になってしまう。

平井 大 /「いつも通り」のキセキ。(Lyric Video)

 そして、Disc-1に収録された「HOPE」は、ゴスペルクワイアをバックに、多くの悲しみとそこにある愛を受け入れ、その先にある未来への希望を力強く歌った1曲。〈守るべきモノ お互いのスキなモノ どちらも真ん中にあるのは愛のはず〉〈ならそれを貫くために戦うより それを分け合って育ててみない?〉という歌詞には、平井の平和に対するメッセージが感じられる。〈未来へありったけのHope 希望という種を遠く 見上げた空のムコウへ届けと思いっきり飛ばした〉。そう歌われてもいる同曲は、ネットを通じて世界中に届けられている。

 「HOPE」同様にアルバムタイトルともなっている「WISH」は、平井にとっての“願い”が込められた楽曲。先行公開されたリリックビデオは、英語はもちろん中国語やフランス語にも歌詞字幕が対応しており、YouTubeのコメント欄には日本語以外のコメントも多数寄せられている。

平井 大 / HOPE(Lyric Video)
HIRAIDAI / WISH(Lyric Video)

 コロナ禍で我々は多くの悲しみを経験してきた。そして今この瞬間にも多くの悲しみが生まれている。だが、すぐ隣に悲しみを背負った人がいる一方で、小さな幸せや奇跡も数多く生まれている。愛と悲しみは隣り合わせであり、絶望の隣には希望がある。願いとは、誰かにこうあって欲しいと届けたい思いのこと。平井の楽曲は、身近にある悲しみと同時に、愛と奇跡もまたすぐそばにたくさん溢れていることを教えてくれる。

 以前インタビューで「ラフなスタイルで、Instagramに写真をあげる感覚で曲を出していきたいと思ったんです。自分が発信したいものをタイムリーにお客さんに届けられるわけだから、音楽を聴いてもらうという意味ではすごく理にかなったスタイルじゃないかと思います」と語っていた平井(※2)。それを可能にしたのが連続リリースという企画であり、SNSでの反応や反響、今まさに起きていることを取り入れながらタイムリーに楽曲を作ることができる。だからと言って、誰にでもできることではない。楽曲作りを日常とし、その日の出来事を振り返って日記を付けるように曲を作る平井だからこそ。そういった意味でもこのアルバムは、平井にとっての音楽日記でもあるのだ。

※1:https://hiraidai.com/hope-wish/
※2:https://realsound.jp/2021/12/post-937749.html

『HOPE / WISH』

■リリース情報
平井 大
ニューアルバム『HOPE / WISH』
2022年5月9日リリース

『HOPE / WISH』特設サイト
https://hiraidai.com/hope-wish/

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