CeVIO AI『星界』は何がすごい? ヰ世界情緒&柊マグネタイトが考える、“音楽的同位体”シリーズの革新性
イベントの後半は、出演者の楽曲制作や歌唱について、様々な質疑応答が対談形式で行われた。
「普段楽曲制作(または歌唱)において意識していること、好きな曲調や自身の得意とする曲調はありますか?」という質問に、柊氏は「一番意識しているのは、歌唱者の声質や歌い方に合わせるということ。(歌手が)どういう人なのか、声質や歌い方によって曲が変わってくるので、そこからインスピレーションを受けて曲を作り始めることが多い」「個人的には四つ打ちの曲が得意。ベースやキックの音が大きかったりするとテンションが上がります」との回答。
ヰ世界情緒は「その日、その時間にしか込められない感情みたいなものを、曲に入れられるように歌うことを意識している」と答える。「それは季節だったり、自分が感じたりということ?」と聞かれると「練習してきたことをなぞるというより、土壇場で出てくるもの。歌に対して新鮮さを込められるように、というのは一貫して意識していますね」と、歌唱に対するこだわりを語る。好きな曲調や得意な曲調に関しては「まだ自分でもわかっていない。みなさんに聞いてみたいです(笑)教えてください」と笑いながら話した。
次に「音楽的同位体に限らず、これまでに制作(または歌唱)した楽曲で、思い入れのある楽曲はありますか?」との質問には、柊氏は少し悩んだ様子で「作った楽曲には全部思い入れがあるんですが……『マーシャル・マキシマイザー』は本当に思い入れのある曲です」と返答。その理由を尋ねられると「作っている過程での変化がすごく大きかった曲で、(普段は)曲を最初に作った構成のまま作ることが多いんですけど、『マーシャル・マキシマイザー』は最初ロックっぽい感じで作ったんですね。今は打ち込みが入ったエレクトロっぽい未来感のある感じになっているんですけど、元々はそういう雰囲気がなかった。メロディは変わっていないんですが、可不の歌声が入って雰囲気が変わったのでそれに合わせてアレンジをガラッと変えたんです」と、デモができてから完成に至るまで時間がかかった、という名曲の制作過程の裏側を明かした。
同じ質問に対しヰ世界情緒氏も「私もすごく迷うんですけど、柊マグネタイトさんと制作させていただいた『ディメンション』はすごく記憶に残っていて、ライブとかでも歌う機会がすごく多い。がなったり、すごく早く歌ったりするパートがあって、他の自分の曲の中にはなかなかない。ライブのたびに『どういうふうに歌おうかな?』という試行錯誤がすごく楽しくて、リアルタイムに変わっていく部分もあって」と返答。柊氏も「めちゃくちゃ嬉しいです!」と感激した様子を見せ、和やかな空気に。
続いて、「影響を受けたアーティストはいるか、どういった部分に影響を受けたか?」という問いには、柊氏は「結構多いんですけど、ボカロPの中だとボカロ聴き始めたときにすごく聴いていたのはハチさん、あとwowakaさんに影響を受けましたね。曲を作り始めてそんなになっていませんが、吸収しようという気持ちが強くて影響はかなり受けています」と自身のルーツについて明かす。
ヰ世界情緒氏は「他の人の曲をあまり聴いてこなかったので、今はKAMITSUBAKIのメンバーの歌に影響を受けています。最近では理芽ちゃんの、曲をなでるようなゆるやかな歌い方、ああいう自由さを持って歌ってみたいと思って参考にさせてもらっていました」と身近なメンバーからの影響を告白する。
「音楽的同位体での楽曲について、どのようなイメージを持って楽曲制作をしましたか?」という柊に対する質問には、「不思議な感覚があった。インスト曲を作るときと、人に提供楽曲を書くときと、ボカロで書く時があって、作り方がかなり違う。音楽的同位体の楽曲制作は、それらともまた違う。人に曲を書いているのに近いけれど、ボカロとも違う。それに音楽的同位体のコンセプトが、自分の音楽と相性がよくて、あっている感じがするのでかなり作りやすく、作っていて面白い」と独特の面白さを明かした。
「マーシャル・マキシマイザー」を初めて聴いた時の印象をヰ世界情緒氏は「とにかく耳に残る曲。昨日も歌っていたんですけど、歌おうと思って歌うんじゃなくてポロッと出ちゃう。中毒性が高い楽曲。それは楽曲自体の力もそうだし、可不ちゃんの声も中毒性がある。その二つがぶつかりあってまざっていてすごい曲」と熱弁する。
またヰ世界情緒が初めて音楽的同位体『星界』のプロジェクトを知った際は、「人生でこんなことあるんだ! と嬉しかった。自分の声で、曲作りのお手伝いができることに感動した」といい、『星界』と自分の声を比較すると「自分の成分も感じるけれど、自分より綺麗な存在」だという。「友達だったりすることもあるし、娘みたいな気持ちになることもある。尊敬や憧れもある。自分の声を元に作られているはずなのに、自分とは別の存在」「人間らしさがないのが好き。神秘的で無機質なところがかっこいい。だからこそなんでも受け止められるところが星界ちゃんのチャームポイント」と、自分にとっての星界について熱く語る場面も。
公開されている星界の3曲の楽曲について、好きな曲やカバーしてみたい楽曲を尋ねられると、「全部! 3曲とも、星界ちゃんの異なる魅力がある」とそれぞれの楽曲の良さについても語り、「(星界と)一緒にデュエットしてみたいというのもあるけど、作られた楽曲に絵を描いてみたい。星界ちゃんのお手伝いがしたいです」と、今後続々と作られるであろう星界による楽曲への期待感も吐露した。
イベント最後には、観客からも大きな拍手が送られ、デモンストレーションや対談イベントを通し「音楽的同位体」への興味関心が深まった様子が見られた。開発者、声の提供者、ユーザーと、様々な立場から技術力や個性が明かされ、音楽的同位体によって作られた楽曲の持つ力と音楽への情熱を感じさせる対談イベントとなった。これから「音楽的同位体」からどのような世界が広がり、名曲が生まれるのだろうか。今後も目が離せない。
■製品情報
音楽的同位体 星界 スターターパッケージ
CeVIO AI ソングエディタ+星界ソングボイス(同梱グッズ3点付き) ¥21,780(税込)
音楽的同位体 星界 スターターダウンロード版
CeVIO AI ソングエディタ+星界ソングボイス ¥20,900(税込)
音楽的同位体 星界 ソングボイスダウンロード版
星界ソングボイスのみ ¥10,780(税込)
音楽的同位体 星界 公式サイト
https://sekai.kamitsubaki.jp/
音楽的同位体 星界 販売サイト
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