SixTONES楽曲とクラシックの相性 『題名のない音楽会』初出演からも感じるこだわりの姿勢

 クラシック音楽にルーツを持つ二人が手がけた両楽曲のオーケストラとのコラボレーションに期待が一層高まるのと同時に、両者ともに旧来からの枠組みにとらわれず、目指す先に立ちはだかる壁を突破していく強いスタンスを感じる。常田はインタビューで「King GnuはJ-POPと他のジャンルの橋渡しのようになれたらいいなと思いながら意識的にやっています(※2)」と語ったように、足し算が何倍にもなるような化学反応を予感させる。

 こうしたスタンスはSixTONESの活動にも似たものを感じる。幅広い音楽ジャンルを歌うSixTONESは、ロックやEDMなどの激しい音楽の印象も強いが、「僕が僕じゃないみたいだ (Dramatic Rearrange)」 ではピアノとストリングスのみの演奏に6人が歌声を乗せた。

SixTONES – 僕が僕じゃないみたいだ(Dramatic Rearrange) [PLAYLIST - SixTONES YouTube Limited Performance - Day.3]

 『ベストアーティスト2020』(日本テレビ系)では、3rdシングル曲「NEW ERA」を和楽器とのコラボステージで魅了。また「マスカラ」リリースにあたっては、『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)で、楽曲を基にしたラジオドラマを展開したことも。

 音楽ジャンルの横断にはじまり、CDリリースに留まらない展開、SixTONESは様々な表現手法の中から楽曲に適した方法で、自らのパフォーマンスを通して魅力を広げていく。ここまで様々な選択肢、表現方法を取れるのはSixTONESならではだろう。音楽にこだわり、音楽を大切にする姿勢は、言葉だけではなく一連の取り組みからも伝わり、リスナーにとっても一つの楽曲を通して新たな音楽体験を得る機会になっているはずだ。

 さて、番組では京本大我がチェロに触れたほか、田中樹がラップ、髙地優吾がボイスパーカッションを担当し、オーケストラとのコラボレーションも行われる。伝統ある番組にSixTONESと同年代の国内外で活躍する奏者たちとの共演と、彼らがそれほど際立った存在である証拠とも言えそうだ。今回のオーケストラとのコラボレーションでは、どんな音楽の世界へと誘ってくれるのだろうか。

※1:https://www.tv-asahi.co.jp/daimei_2015/about/
※2:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29330/1/1/1

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる