木村拓哉×B'z、強力タッグはどう生まれた? 『Beautiful Life』から『未来への10カウント』まで続く信頼関係

 そして、木村と稲葉の関係は、それだけにとどまらない。B’zデビュー30周年を記念した全国ツアー『B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-』の味の素スタジアム公演では、ライブ定番曲「ZERO」のラップパートでカメラマンに扮した木村がサプライズ登場し、B’zファンを沸かせた。このサプライズ出演は、稲葉が木村にLINEで出演交渉をしたというから驚きだ。このように長年かけて築き上げてきた信頼関係がまたしても最高の形で結実したのが、「COMEBACK -愛しき破片-」。ギタリストで作曲を担当する松本孝弘による哀愁の中に力強さを感じさせるメロディはもちろん、ドラマの内容を歌詞に落とし込んだ稲葉の作詞にも注目したい。サビのラインからも、生きる希望を失いかけている主人公が、人生をかけてリベンジを図る熱いドラマのストーリーに呼応した熱量を感じる。そして、B’zによる主題歌の提供が発表された際に公開された「『COMEBACK -愛しき破片-』ではすべて、ドラマの内容に向けて言葉を紡いでくださっているので、僕自身にとっても、ものすごく大きな力になります。(中略)ドラマを見てくださる方々にも“人生のエネルギーの一部”として届けばいいな、と思います。」(※1)という木村のコメントのとおり、ドラマだけでなく視聴者やリスナーの人生をも彩る力強い一曲だ。

木曜ドラマ『未来への10カウント』4月21日(木)よる9時~放送/第2話<拡大スペシャル> 予告動画(60秒)

 「(木村演じる)桐沢(祥吾)をはじめ登場人物はそれぞれの葛藤を乗り越えて、失った自分の破片を取り戻しながら、生きることの歓びを見いだしていきます。そんな様子を自分達にも重ね合わせながら楽曲を完成させました。この曲がドラマの中でどう響くのかとても楽しみです」とB’zのふたりが願いを込めた「COMEBACK -愛しき破片-」。まだ始まったばかりの『未来への10カウント』のストーリーが今後進展していくなかで、ドラマの物語と楽曲が有機的に絡み合い、歌詞の読み解きもさらに深まるのではないだろうか。

※1:https://www.tv-asahi.co.jp/10count/music/

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