Organic Call、熱い言葉と演奏で届けたこれまでの歩み 未来への決意も感じた5周年記念イベントレポ
ゲストコーラスとして明くる夜の羊のカワノユイ(Gt/Vo)を迎えると、「コロナの時期に作った大切な曲をやります」と「彗星のよう」へ。カワノの澄んだコーラスが平田の低い声とマッチし、柔らかい残響を残すギターとともに幻想的な雰囲気を醸し出す。〈始発を迎えたら 平凡な生活が続いていくようだ〉という詞は「眠れない夜には」で描いた終電後の世界の続きのようでもあった。そして、街中の雑踏を思わせる音が流れると「春は巡る」へ。〈僕らは今光を探して 僕らは今孤独を抱えて行け〉という前向きな歌詞に呼応するように力強くなるバンドの音色やコーラス。平田によって紡がれる詞だけでなく、音からも力強くメッセージが伝えられた。
5年を振り返るMCののち、ツアーの開催と2nd EP『セピアに褪せる』の発売を知らせた平田。「小さな箱から始まったこの音がいつか誰かの心に届いたとき、俺は生きていたいと思うんだ」そう言って演奏したのは「朝焼けに染まった街へ」。原点を思わせる熱い言葉に感化されるように演奏もヒートアップし、ギターソロが昂るようにかき鳴らされる。
「あんたがいたから、俺たちは今、ここで生きていく!」。何度も語りかけながら披露すると「共に行こう、海が見える街へ」と「海が見える街」に続く。景色が開けていくようなドラムと明るいギターリフがドラマチックで、平田が「その手を離さない」と叫ぶように伝えながら〈どこか遠く深くに この歌が届くように 離れないように〉と力強く歌った。音から漲る熱は「愛おしき日々たちへ」で最高潮に。これまで得た強さとこれからへの決意が結集したような熱い演奏を鳴らし切った。
この日、ねぐせ。は愛おしい日常のシーンを切り取り、Organic Callは日々の葛藤を紡ぎながらも〈不完全な日々も抱きしめよう〉と歌った。日々の何気ないシーンや景色を丁寧に音と言葉で描いた2バンドによる、温かく、そして熱いステージがオーディエンスの心に染みわたった。