Skoop On Somebody、オリジナルメンバー集結で第3章へ 祝福あふれたデビュー25周年公演
2月21日にメジャーデビュー25周年を迎えたSkoop On Somebody(以下、S.O.S.)が27日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで『25th anniversary LIVE Vol.1〜REJOIN〜』を開催。昨年12月27日にドラムのKO-HEYの再加入を発表、オリジナルメンバーによって開催されたライブ。歓迎ムードの中で、KO-HEYが作ってきたという新曲「Hooray Hooray」など全20曲を演奏。第3章の始まりを集まったファンと共に祝福した。
『REJOIN』と名付けられたライブタイトルは、KO-HEYの再加入を意味すると共に、再びみんなで一つになろうというメッセージが込められた。3本のスポットライトで照らされたステージにメンバーが現れると、会場は割れんばかりの拍手でつつまれた。ステージ上で円陣を組み、気合いを入れてハイタッチ。あの日、あの時のS.O.S.が帰って来た。
1曲目はファミリーに対する気持ちを歌った「M.F.S.B.」で、この日の1曲目にぴったりの選曲。TAKEに続いてKO-HEYのボーカルへと繋ぎ、3人がメロディを歌い繋いでいく。〈あなたに出会えてよかった〉という歌詞がより意味を増して心に刺さり、会場には温かい手拍子が鳴り響いた。
「心の声で一緒に叫びましょう。“KO-HEYお帰り”」とTAKE。「Skoop On Somebody、25周年おめでとう」と返すKO-HEY。会場には、どこか懐かしく温もりに満ちた空気が流れた。
S.O.S.は、1997年にデビューした。ソウル/R&Bなどブラックミュージックを基盤に構築された、上質のJ-POPを持ち味に活動。爽やかなハーモニー、スッと染みこんでくるようなメロディ、聴く者をドラマの主人公にさせてくれるような歌詞で、多くのファンのハートを掴んだ。現在は、歳月を重ねたからこその色気も感じさせ、より懐の深い音楽を奏でている。そんなS.O.S.の真骨頂は“Perfume Music”(=香り立つような音楽)と称されるセクシーなムードの楽曲で、序盤はその“Perfume Music”の3連発でムーディーな世界へといざなってくれた。
ベルベットのように滑らかな質感で、メロウな歌声が際立った「Perfume Love」。マイクスタンドを斜めに倒しながら、グルーヴィに歌い上げた「Soul’n’Roll」。曲間では、KO-ICHIROによる大人の色気漂う演奏で観客を魅了。さらにブルージーなナンバーの「Nice’n Slow」ではTAKEも椅子に座って、甘くしっとりとしたファルセットのフェイクを響かせた。
MCでは、「2人でやって来た12年があったからこそ、こんな奇跡が訪れたんだと思う。もういなくなるのはダメだからね!」と、冗談っぽくKO-HEYを迎えたTAKEとKO-ICHIRO。「(脱退の理由、再加入した理由は)俺にしか分からないことなのに、優しく迎え入れてくれた2人にはすごく感謝している。感謝という言葉だけでは足りないくらい」とKO-HEY。話したいことは山ほどあるはずなのに、上手く言葉にならないといった様子で、「観客全員一人ひとりと飲みながら話したいくらい」(KO-HEY)、「それは個人的にリモートでやってよ」(KO-ICHIRO)と、ついつい照れ隠しで茶化してしまう。そんなムードを察し、観客は微笑ましく3人を見守った。
続いて、S.O.S.のもう一つの真骨頂である“振り返り系”ナンバーを、3人だけのアコースティックスタイルで披露した。美しいハーモニーを聴かせた「Still」は、セピア色の思い出が少しずつ色づいていくような雰囲気。ラテンのメランコリックなナンバー「ama-oto」は、12年のブランクを感じさせない息の合った演奏とコーラスを聴かせた。
中盤は、「ネットやニュースを見るといろいろなことがあるけど、いつかこの曲を歌わなくてもいい世界が来て欲しい」という言葉と共に、美しいピアノと歌声で「祈り」を届けたほか、KO-HEYのドラムにフィーチャーしたコーナーも。バックを務める知念輝行(Gt)、小松秀行(Ba)、Gakushi(Key)といった、ソウル/R&B系アーティストのライブには欠かせないトップミュージシャン、さらに田中雪子、吉岡悠歩という2人のコーラスが加わったセッションは実に聴き応えがあった。また「sha la la」では、TAKEが何度も楽器陣にアドリブ演奏をリクエストし、この瞬間にしか聴くことのできないライブ感たっぷりの演奏も聴き所の一つになった。