桐谷健太×宮沢和史、対談インタビュー 映画作品をきっかけに生まれた「遣らずの雨と、光」について語る
「遣らずの雨と、光」が作られた経緯
ーーここまでのお二人の話を聞いていて、今回の「遣らずの雨と、光」での共演は必然的だったんだなと感じました。実際、どのような流れでご一緒することになったんでしょう?
桐谷:映画『ミラクルシティコザ』の劇中で、僕の演じるハルの恋人が人を殺してしまって、それで僕が血まみれになりながらエレキギターで弾き語る「マーミーの歌」が原曲になっているんですけど、そのシーンを見た映画のプロデューサーが「絶対に音源化したいです」とおっしゃっってくれたんですよね。でも、歌詞もワンフレーズしか出来ていないものだったし、その時点ではいまいちピンときてなかったんです。そうしたら「宮沢さんにサウンドプロデュースしていただけることになりました」「え?」みたいな。なので、僕からすると本当に導かれるようにここまで来れた感じなんですよね。気持ち良い船に乗っからせてもらった感覚というか。
ーーレコーディングにはどんなモードで臨まれたんですか?
桐谷:宮沢さんから「この歌は、男の、強いんだけど弱い。弱いんだけど強いところが見えるといいよね」とおっしゃっていただいたんですけど、それが自分の中ですごくピンと来たので、その想いだけを歌に滲ませていこうと思って。それでこの曲における歌の正解が見えた感覚になったんです。
宮沢:僕は今回、あえて映画を観ないでやろうと決めていて。映画を観てしまうと、その世界観や俳優・桐谷健太のイメージに引きずられてしまうので、あくまでひとつの独立した音楽作品として制作に臨んだんです。もし映画を観てから取り組んでいたら、僕も紫(※映画『ミラクルシティコザ』のキーパーソンとなる、実在する沖縄のハードロックバンド)大好きだし、知り合いだし、もっとアメリカンロック寄りの曲になっていたと思うんですけど、その格好良さは映画の中で体感できるだろうし、桐谷さんの個性には日本やUKのロックに近い世界観のほうが良いかなと思って。ただ、歌うのは久しぶりと伺ったので、まず仮歌を歌ってもらったんですよ。
ーー「遣らずの雨と、光」は3年3カ月ぶりの新曲ですもんね。
宮沢:その仮歌の時点で「まだ本調子ではなさそうだけど、こうなったら上手くいくな」というこの歌の着地点が見えたんですよね。それから長い期間があったわけじゃないんですけど、あとで話を聞いたら、撮影の合間にも田んぼとかで発声練習していたみたいで、本番の歌入れでは見事に1回目から世界観が出来上がっていたから「ここまで仕上げてくれたのか」と。そのエネルギーと情熱とプロ根性には「すごいな」と素直に思いました。で、僕の中ではわりと早い時点でオッケーを出したんですけど、桐谷さんのほうから「後半、もう少し温度を上げて歌ってみたい」と提案してくれて、それでやってみたらすごくハマって。そういうところも含めて見事だなと思いましたし、その結果、男らしさや男のセクシーさみたいなものを感じさせてくれる、すごく良い歌になったなって。
ーーそんな「遣らずの雨と、光」で繋がったお二人が、この先でまた共演できる機会があったら、どんなことをやってみたいですか?
宮沢:「海の声」のイメージとはまた違う、クールでセクシーな音楽をちょっとソリッドなバンドでやっても格好良いと思うので、そこで一緒に歌ったりしてみたいです。今回のレコーディングに参加してくれたバンドメンバーは、本当にみんな幸せそうに演奏してくれたので、彼らを呼んでライブするのもアリだと思うし。あと、それとは真逆ですけど、沖縄のフェスで三線持って一緒に歌ったりしても楽しいだろうね。そのまま沖縄で一緒にうまいもん食ったりしたい(笑)。
桐谷:沖縄の居酒屋で飲んでいるあいだに歌い始めちゃったりとかしたいですね(笑)。それはめっちゃ楽しいし、幸せだろうなぁ。宮沢さんとはもう出逢わせていただいたので、また何かご一緒できる日がやってくると信じていますし、それを楽しみにしています!
■リリース情報
桐谷健太「遣らずの雨と、光」
宮沢和史(ex.THE BOOM)サウンドプロデュース
映画『ミラクルシティコザ』インスパイアソング
2022年2月16日(水)Digital Release
https://lnk.to/yarazunoame
■映画情報
『ミラクルシティコザ 』
2022年2月4日(金)新宿武蔵野館 他 全国順次公開
公式サイト https://miraclecitykoza.com/
監督/脚本:平 一紘
出演:桐谷健太、大城優紀、津波竜斗、小池美津弘 他