日向坂46、「約束の卵」を『テレ東音楽祭2022春』で披露した意義 歌詞に刻まれる逆境を乗り越えてきたグループの歴史

 日向坂46が、2月23日放送の『テレ東音楽祭2022春~思わず歌いたくなる!最強ヒットソング100連発~』(テレビ東京系)で、東京ドームを目指す決意とファンとの絆を歌った「約束の卵」をテレビ初披露した。

 3月30、31日に念願の東京ドーム公演『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~』を控える日向坂46。このタイミングでの披露は、メンバーやファンにとって、感動という言葉では収まりきれない、溢れる想いが詰まった特別な一夜となった。

 「約束の卵」は、日向坂46の前身グループである けやき坂46(ひらがなけやき)時代にリリースした初のオリジナルアルバム『走り出す瞬間』(2018年6月20日発売)に収録された楽曲。欅坂46(漢字欅)から派生してできた けやき坂46は、自身のオリジナル楽曲を欅坂46のカップリングの中で発表するなど、当時はグループとしての立ち位置が曖昧だった。しかし、そんな けやき坂46が2018年1月に、欅坂46の代打という形で日本武道館3DAYS公演を成功させ、グループとして自立するようにリリースされたのが『走り出す瞬間』だった。

 そんな けやき坂46のターニングポイントとなるアルバムに収録された「約束の卵」は、アルバム発売直前の2018年6月4日からスタートした『けやき坂46「走り出す瞬間」ツアー2018』にて、ファンの前で初披露された。それまでのライブでは、欅坂46の楽曲と自身の楽曲をミックスして披露していた けやき坂46。このツアーからは、自身の楽曲のみで構成されるようになる。

 また、ツアーが始まる前日の6月3日には、SHOWROOMの生配信で佐々木久美がキャプテンに就任。けやき坂46として本格的に独り立ちするタイミングで、念願のCDデビューも目前に控えたツアーの初日アンコールのラストに、東京ドームを新たな目標として掲げた「約束の卵」を披露。メンバーやファンにとって、あの瞬間が特別なものにならないわけがない。あれから約4年の月日を経て、本当に東京ドームに立つ瞬間が目前に迫っている。

 日向坂46は、メンバーが有言実行していくグループだと思っている。ソロ曲、モデル、ラジオ、テレビ出演など、それぞれがやりたいことや目標を言葉にし、それを実現するパワーを持っているのだ。言霊という言葉があるが、〈待っててくれるか? 夢叶うまで 君のことを連れていく〉と歌う「約束の卵」をライブで歌い続けることが、目標へと向かう彼女たちの原動力となり、グループの成長にも繋がっていったのではないかと思っている。

 もちろん、この4年間にはメンバーの卒業や休業などがあり、決して順風満帆というわけではなかった。かつて渡邉美穂が公式ブログにて、「私はずっとこの言葉を忘れたくない」と、〈もし仲間が倒れた時は僕が背負うから〉という歌詞への思いを綴っていたが(※1)、このフレーズは日向坂46の信念と言っても過言ではないだろう。

 一つのアイドルグループとして一丸となり、誰も取りこぼすことなく、目標に向かって一歩ずつ道を踏み締めていく。続く〈一緒にたどり着こう〉というフレーズは、メンバーだけでなく、ファンとの団結力も強くする。そんな、日向坂46に関わる全ての人のモチベーションを上げる、魔法の歌が「約束の卵」なのではないだろうか。

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