『ANSWER…』インタビュー
登坂広臣、自分と向き合い導き出した1つの答え ØMIとしての歩みの先で一番伝えたかったこと
10年の感謝とありのままを綴った「Love Letter」
ーーまた、今回新たに収録された「Just the way you are」(DISC1)は、サビのフレーズがキャッチーなポップチューンですが、世界観を重視してきた他の楽曲とは少し異なる印象を受けました。
登坂:「Just the way you are」は2月5日から始まる『ØMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER...”』のステージをイメージして作ったので、そう感じたんだと思います。SUGAくんと作った「You (Prod. SUGA of BTS)」があったり、『ANSWER… SHINE』の軸となる「SHINE」があったり、アルバムを締め括る「After the rain」の構想がある中で、「もう1曲どうしようかな?」と思った時に、ライブを意識したら、この曲のベースが見えてきて。ライブでも映えるんだけど、アルバム『ANSWER…』の世界観もキープしながら明るい世界に連れて行けるような曲ということで、SHOWさんに作詞作曲してもらいました。
ーー先行配信された「Starlight」は、暗闇の中にいたØMIさんが〈君〉のおかげで一番星を見つけられた場面が思い浮かびましたが、「Just the way you are」は降り注ぐ流星群を見上げながら〈君〉と笑い合っているイメージかな、と思いました。登坂:僕もなんかそんな気がします。「Just the way you are」の物語的には、旅を通して見つけた〈君〉と手を繋いで走っていく感じ。曲を作っている間もそういうことを考えていたので、これから聴く方にもそんな光景をイメージしてもらえたら嬉しいですし、今後のライブでもそういう立ち位置の楽曲になればいいなと思います。ライブのセットリストには作品の世界観を見せつけるダンスチューンもありますけど、「Just the way you are」は僕が手を差し伸べて、その手を皆さんに握ってもらうような、お互いの距離をグッと近づける曲になるんじゃないかなと思っています。
ーーDISC1の6曲目に収録されている「Love Letter」は、三代目JSBの10周年記念日(2020年11月10日)に「僕からのファンの皆んなへの手紙を作りました」(※3)と公開されたミディアムナンバーです。公開した頃から、この曲もアルバムに入れる予定だったんですか。
登坂:この曲はアーティストデビュー10周年の記念日に、コソッと渡すラブレターとしてUTAさんと作らせてもらって。僕の中ではそれで満足というか、アルバムに入れるつもりはなかったんです。でも、ファンの皆さんも望んでくれているみたいだったし、スタッフにも「収録したほうがいいんじゃないですかね」と言われたので、「じゃあ、入れましょう」と。僕の考えというより、皆さんが求めてくれたから、その気持ちに応えたくて「Love Letter」を収録させていただきました。
ーーアルバムに入ると、単曲で聴いた時とは違った意味を持つ気がしますが、ご自分で聴き直して発見したことはありますか。
登坂:発見か……そもそも、この曲は自分で聴き直していないんですよね(笑)。他人に書いた手紙って、相手に渡しちゃったら自分では読み返さないじゃないですか。「Love Letter」というタイトル通り、10周年に対する感謝の気持ちとコロナ禍で感じたことを書いて、スッと渡した手紙のような曲なので、自分にとっては“ファンのみんなにあげたもの”っていう認識なんです。だから『ANSWER…』に収録したことで、何か新しい意味が生まれたかというと、僕の中では正直そうでもなくて。収録が決まってから今までも、全然聴き返していません。たぶん、読み返すのが恥ずかしいんだと思う(笑)。
ーー深夜に書いたラブレターを後から読み返す感覚でしょうか。
登坂:そうそう(笑)。でも、このアルバムで初めて聴く人もいるだろうし、この機会に受け取ってもらえたら嬉しいです。
「素直に出てきた言葉を“これで良い”と思えた」
ーーお話を聞いて改めて思ったんですが、ØMIさんって何でもクールにこなしそうなのに、自分の言葉を素直に伝える場面では照れ屋を発揮しますよね。前回のインタビューでも、「Starlight」の最後の余韻が長い理由について「『恥ずかしくて今まで言えなかったけど、素直な気持ちを言うね?』みたいな感じだから(笑)、時間が必要なんです」と話していましたし(※4)。
登坂:たしかに自分の気持ちを赤裸々に話す時は、結構照れちゃうかもしれない(笑)。基本的に自分で歌詞を書く時や歌う時は、明確な世界観があるとか、何かキャラクターを演じるとか、自分以外の誰かのことを表現するほうが、書きやすいし歌いやすいんですけど。それって、オーディエンスに求められる自分を表現するというか、「アーティスト 登坂広臣はこうだろうな」という理想像を演じてきたってことだと思うんです。でも今回の『ANSWER…』シリーズは、演じている感覚が一切なくて。「ダサくてもいいからありのままの自分を見せよう」と思って弱さを表したのが『ANSWER… SHADOW』だし、その先に見出した自分の輝きを表したものが『ANSWER… SHINE』。そして、そんな激動の中で自分と向き合って気づけたことや、前から気づいていたけど、やっと素直に言葉にできたものが「After the rain」になったわけです。そう考えると、特に「After the rain」は今まで身につけていた鎧とかキャラクターを脱ぎ捨てて、真っ裸な自分で作詞した曲だから、やっぱり照れくささはありますね。
ーー三代目JSBの10周年インタビューでも、「外側を飾るよりも内面から魅力が滲み出るほうが魅力的」という話がありましたが(※5)、ソロ活動においても同じ結論に辿り着いたようですね。飾らない自分を届けることに意味があるという。
登坂:年齢的なこともあると思うんですけど、ここ数年は他のアーティストの音楽を聴く時も、アートに触れたりする時も、外側だけを見て「カッコいいな」とか「綺麗だな」と思うんじゃなくて、より本質に目が行くようになりましたね。と同時に、自分自身も12年で培ってきたもので勝負できる自信がついたから、“カッコつけた自分”をどんどん捨てるようになって、『ANSWER…』ができ上がりました。きっと『ANSWER…』シリーズを作る前の自分だったら、もっとカッコつけた言葉を使っていたと思うし、もっと難しい言い回しをしていただろうなって思うんですよ。でも「After the rain」で素直に出てきた言葉を「これで良い」って思えたのは、それが自分にとっての“本質”だからなのかなって思います。
ーーとなると『ØMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER...”』は、ソロアーティスト ØMIの真価が問われるツアーになりますね。
登坂:そうですね。フルアルバム『ANSWER…』を引っ提げてのツアーということで、わりとコンセプチュアルなライブにはなるんですけど、“SHADOW”も“SHINE”も両方、嘘偽りのない自分を表現しているので。長い旅の最後に、無駄を削ぎ落とした“ØMIの本質”をお見せできたらと思っています。
※1:https://realsound.jp/2021/05/post-757567.html
※2、4:https://realsound.jp/2021/10/post-885614.html
※3:https://www.instagram.com/tv/CHYUJurD2RJ/
※5:https://realsound.jp/2021/11/post-899510.html
■リリース情報
ØMI『ANSWER…』
2022年2月2日(水)発売
<Deluxe Edition>
形態:2CD+Blu-ray
価格:¥7,700税込
※初回生産限定、三方背BOX仕様
※封入特典:100Pオリジナルフォトブック、応募抽選特典シリアルコード
<初回生産限定盤>
形態:2CD+Blu-ray
価格:¥5,500税込
※スリーブケース仕様
※封入特典:応募抽選特典シリアルコード
<通常盤>
形態:2CD
価格:¥3,300税込
※スリーブケース仕様
※封入特典:応募抽選特典シリアルコード
<EXILE TRIBE FAMILY/LDH official mobile会員限定盤>
形態:2CD+Blu-ray
価格:¥13,200税込
※15,000SET限定、ディフューザー付スペシャル・パッケージ
※封入特典: 100Pオリジナルフォトブック、応募抽選特典シリアルコード
<CD収録内容>
DISC-1
M1. INTRO 〜SHINE〜
M2. SHINE
M3. You (Prod. SUGA of BTS)
M4. Starlight
M5. Just the way you are
M6. Love Letter
M7. After the rain
DISC-2
M1. INTRO 〜SHADOW〜
M2. ANSWER… SHADOW
M3. Can You See The Light
M4. Give up
M5. Colorblind
<Blu-ray収録内容>
・ANSWER… SHADOW -Music Video-
・Can You See The Light -Music Video-
・Colorblind -Music Video-
・You (Prod. SUGA of BTS) -Music Video-
・SHINE -Music Video-
・Story of “ANSWER…”
ØMI HP:https://www.hiroomi-tosaka.com