TOSHI-LOW、OAUの活動から得た“音楽”を奏でる喜び BRAHMANに与える影響も明かす

OAU TOSHI-LOWが知った“音楽”の喜び

OAUがBRAHMANにもたらすミュージシャンとしてのフィードバック

TOSHI-LOW(写真=藤本孝之)

ーーOAUを始めてからBRAHMANも、日本語で歌うことも含め歌い方が変わってきたと思うんです。OAUでやってきたことがBRAHMANにフィードバックされることもあったのかなと、この間の『Tour -slow DANCE HALL-』を見て思いました。

TOSHI-LOW:そうですね。ゆっくり丁寧にやるというのはOAUの活動の中で得たやり方だし、OAUで先にホールツアーをやってるので、その時に、勢いだけではいけないというのはみんな気づいているというか。やっぱり、一人ひとりなんですよね。一人ひとりの楽器との向き合い方が、OAUを始めたことによって変わったのはあって。バンドというごちゃっとした単位で音楽を考えてたのが、ドラムであったり、ギターであったり、ベースであったり、OAUをやることで、しっかりそれぞれの存在が核になっていったんですよね。自分の楽器と向かい合う時間がOAUをやると長くなるから。しかも、すごく小さい音から大きい音まで出すというのは、ミュージシャンとしてはけっこう大変なことで。アコースティックギターだけ弾ける人はいっぱいいると思うし、エレキギターだけ弾ける人もいると思うんですけど、違うタイプのバンドを良いクオリティで鳴らせるミュージシャンは限られてくると思う。だから、そこに至るまでの苦労はみんなあったと思うし、やったぶんミュージシャンとしてのフィードバックはBRAHMANにも返ってきてる。それはデカいと思う。

ーー昨年はOAUが先にホールツアーをやりましたが、この時期にOAUならできる、といった自信があったんでしょうか。

TOSHI-LOW:まぁOAUのほうがもちろんやりやすかったですよね。BRAHMANでやるにはその時はまだ道筋が見えなかったのもあるし。別にお客さんの行動を制限して自分たちが好き勝手やることはできるんだろうけど、そういうライブをやりたくなかったので。どうせ汗をかくんだったら一緒にかいた方がいいし、どうせ暴れるんだったら一緒に暴れた方がいい。客と演者がイーブン、BRAHMANは体ごとぶつかれる音楽だから。それよりOAUは、もうちょっと空間とか音を、ゆっくりしっかり楽しめるというのがあるから、それはデカかったですよね。結果野音もできたし。その積み重ねの一つひとつが自分たちの自信にもなっていくし、バンドとしても太さは出ますよね。

ーー声も出せずフィジカルな反応がしづらい人たちを前に演奏するのはどんなものなんでしょう。

TOSHI-LOW:お客さんがいない時のことを考えたら、いるだけで十分。俺たちのライブは最初からパンパンに人が入って、みんなが盛り上げてくれたかって言ったらそうじゃなくて。ライブハウスで5人とか10人とかしかいないところで、自分たちのことを横目で見て帰っていく様を見て、「あー何が悪かったんだろう」って思ってた時代期もあったわけで。それを考えたら真剣に見てくれてるだけで十分ですよ。

ーーでは昨年のツアーの手応えは大きかったんですね。

TOSHI-LOW:そうですね。OAUの持ってるサウンドのスケール感が、野外の音楽堂とか、フェスとか、オーチャードのようなホール自体が楽器みたいになってるところにも合うというのも嬉しかったです。

TOSHI-LOW(写真=藤本孝之)

ーー音楽性の違いがあるのは大前提として、大まかな捉え方ですが、BRAHMANは自分と対峙する、個と対峙する、OAUは誰かと対話したり伝えたり寄り添ったりするという表現の上での違いもあるんじゃないかと。

TOSHI-LOW:BRAHMANもOAUも、やってるのはどっちも自分で、どっちも自分の軸じゃないですか。自分に問いかけることで、これでいいのかと思うこともあるし、人に忠告したりされたりすることで自分に気づくこともある。だからこそどっちの自分もあっていいのかなと思うし、結局言ってることは一緒なんだなとも思う。

ーーそういう棲み分けは、OAUを始めた時に自然に生まれたものですか。

TOSHI-LOW:棲み分けとかではなくて、パンクとかハードコアが持ってる己というものと、アコースティック楽器を奏でてやるワールドミュージックの、もう少し集団社会的なものと、本質がもともと違うので。音を聴いてどっちかで歌詞を書いてくださいと言われた時に、自分から見るものと、もうちょっとふんわりした周りから見るものと、音の柔らかさとか硬さで歌う言葉が決まってくる気がして。硬ければ自分のコアをぶつけていくしかないんだけど、柔らかいものに対しては、ふんわりした自分でいられる。それに、人というものが見えやすいと情景を描きやすいのかなと思いますね。

ーーBRAHMAN4人だけで作っているコアな部分と、MARTINさんKAKUEIさんが入った時のサウンドが言葉にも影響するんですね。

TOSHI-LOW:明るくてファニーな曲に対して「己とは!」とは言わないじゃないですか(笑)。どっちも自分なんだけど、単純な話、楽曲の手触りで歌詞が決まってくるのかなって。だからあえて差別化を図ってるんじゃなくて、自分があってBRAHMANとOAUの二つがある。二つがあって自分があるわけではないから、真ん中から俺が引き裂かれるようなことはないんです。

ーーOAUは、ステージであまり動かず演奏に集中するライブをやりますけど、BRAHMANはフィジカルなパフォーマンスで、特にTOSHI-LOWさんがお客さんの中に入っていったりする。先日ライブのMCで「昔には戻らない」とおっしゃってたけど、以前とは違うスタイルを今回のBRAHMANのツアー(『Tour -slow DANCE HALL-』)で作ったと思うんですよ。

TOSHI-LOW:戻る必要はないですよ。そもそも、ライブでのアクションは自分のパッションから生まれたものなので。決まり事じゃないし、やらなきゃってことでもない。他の人があれを勝手にBRAHMANの象徴と思ってるだけで、俺の中ではそこまでんなに重要度が高いものではないので。そもそも戻すとか戻さないとかもわからなくて。その時にそういう気持ちになればやるライブもあるだろうし、そうじゃなかったらやらないだけで。それも含めて戻りたいとも思わないし、戻りたくないとも思ってないし、ってことです。

TOSHI-LOW(写真=藤本孝之)

ーー『Tour -slow DANCE HALL-』は、“Slow  Dance”というテーマに沿った選曲で、アレンジを変えたり苦労もあったかと思いますが。

TOSHI-LOW:やり始める時っていつも大変じゃないですか。でも自分たちが熱くなりすぎない曲を選んでいけば、そこは自然とね。さっきの話だけど、なんで客席に飛び込んだかといえば、飛び込んでしまう曲だったからであって。だからある意味熱いまま、冷静なまま熱くなれる曲を選んだということですよね。ただ、そういう曲の選び方をしたことがなかったので、とにかく、最後は当たって砕けろみたいになればいいっていうバンドの方向性が、そこだけガラッと変わったと思う。最後までバンドとして、演奏をやりきるっていう。それは今後のバンドにとってもデカいでしょうね。演出云々とかライブの方向性の話だけじゃなくて。バンドとして、ちゃんと演奏をやりきる。感情だけに左右されない。もちろん感情は大事だと思ってるんですけどね。だからこれができた上で、感情がうわーっとなったものになれば、また違うものが生まれるんじゃないかな。今までのようにただ感情の高ぶりだけに左右されるんじゃなくて、自分たちのやりたいものの上にさらに感情が乗る。そういう風景を自分でも見てみたいですね。

ーーそれこそがOAUと通じるところですね。4月の日比谷野音がタイトル通り新しい春の収穫になるといいですね。

TOSHI-LOW:どんな状況になってるかは誰にもわからないけど、どんな状況でも楽しんだり、幸せを感じる心はそれぞれが自分自身で持ってると思うんですよ。なんでも全てに感謝しろとか、そんな善人じみたことを言いたいわけじゃなくて、気づき一つで幸せだなって感じることはできるし、そういうものに気づかせてくれる力を音楽は持ってると思うので。音楽があってみんなが集まって、演奏することを楽しむ。それを幸せと感じる人たちと、今後も長く遊んでいたい。OAUは刹那的じゃないんですよ。収穫と一緒で、1回獲ったら終わりっていう猟師的考えじゃないというか。お客さんも春に野音だけ来る、年に1回、ニューアコ(『New Acoustic Camp』)だけに来るでもいい。でもシーズンごとに俺たちもいろんな顔があるから、できればそれぞれの顔も楽しんでほしいですかね。冬になったらビルボードでやったり、夏だったらフェスで見かける顔もあると思うし。いろんなところで遊びたいという思いがあるんで、その時の状況の中でこれからも遊んでいけると思うんですよね。

TOSHI-LOW(写真=藤本孝之)

■リリース情報
OAU New EP
『New Spring Harvest』
2022年2月2日(水)発売
・通常盤(CD+DVD)
¥3,850(税込)
・完全生産限定盤(12inchアナログ)
¥3,300(税込)
※各初回生産分には特典封入あり
予約・購入はこちら
https://oau.lnk.to/NSHPR

<CD収録曲>
1. Peach Melba
2. 世界は変わる
3. Sunny Day
4. Apple Pie Rag
5. Life

<付属DVD収録曲>
OAU TOUR 2021 -Re:New Acoustic Life- FINAL
at 日比谷野外大音楽堂(2021/4/18)
1. A Strait Gate
2. こころの花
3. Follow The Dream
4. all the way
5. Black and Blue Morning
6. Thank you
7. 朝焼けの歌
8. Dissonant Melody
9. 夢の跡
10. Memories
11. I Love You
12. Americana
13. Where have you gone *Guest Chorus:細美武士
14. 帰り道
15. 世界は変わる
16. Bamboo leaf boat
17. Peach Melba
18. Again
19. Midnight Sun
20. Making Time
21. 最後のニュース
22.Change

<12inchアナログ収録曲>
A面
1. Peach Melba
2. 世界は変わる
B面
3. Sunny Day
4. Apple Pie Rag
5. Life

CDショップ購入特典
・TOWER RECORDS特典:B3ポスター
・楽天ブックス特典:アクリルキーホルダー
・amazon特典:メガジャケ
・7net:三つ折り卓上カレンダー
・上記以外の店舗:ポストカード
詳細は公式サイトへ

■イベント情報
OAU『New Spring Harvest』発売記念
TOSHI-LOWインストアライブ@FLAKERECORDS
2022年2月8日(火)
大阪 FLAKE RECORDS
OPEN / START 20:00
CHARGE / (入場券お持ちの方/限定30名)
※詳細は以下をチェック
HP:https://www.flakerecords.com/
Twitter:https://twitter.com/FLAKE_RECORDS?s=20
Instagram:https://www.instagram.com/flakerecords/

OAU公式リンク
HP: https://oau-tc.com
Instagram: https://www.instagram.com/oau.jp/channel/
Twitter: https://twitter.com/tacticsrecords
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC9cFvfrXE27BEMEzYcVTjcQ


サイン入りTシャツプレゼント

OAUサイン入りTシャツを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

OAU Tシャツ
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※TシャツはMサイズとなります。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

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<締切:2月16日(水)>

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