Original Love、ソウルフルなステージで響かせた30周年の深み TENDREとのセッションも披露した『Love Jam Vol.6』

Original Love『Love Jam Vol.6』レポート

 デビュー30周年を迎えたOriginal Loveが、1月22日に『Original Love presents Love Jam Vol.6』をZepp DiverCityで開催した。これは2016年から続けているコラボイベントで、今回は昨年リリースされたトリビュートアルバム『What a Wonderful World with Original Love?』に参加したTENDREがゲストとなった。

 田島の「『Love Jam Vol.6』、始まります!」との開会宣言に続いて呼び込まれたTENDRE。最初に演奏した「LIFE」の途中で、河原は「田島さんと2マンなんて考えもしなかった、めちゃめちゃ嬉しいです!」と曲に乗せて思わず喜びを吐露。ライブのバンドメンバーである松浦大樹(Dr)、小西遼(Sax/Flu/Syn)、高木祥太(Ba)、AAAMYYY(Cho/Syn)、松井泉(Per)と共にスマートでソウルフルな曲を聴かせていく。河原のシルキーボイスは、Original Loveのファンにも親しみやすいようで、場内の空気も温まっていく。途中のMCでは「最近は田島さんと仲良くさせてもらってるというか、トリビュートに参加させていただいたのもそうだし、たまたま街でバッタリ会って写真撮ってもらったり。いろんな縁を繋げてくれて、田島さんありがとうございます」と話した。

 5曲ほど演奏したところで「素敵なゲストを紹介しましょう」と田島を呼び込み、トリビュート盤でカバーした「IT'S A WONDERFUL WORLD」を共演。田島がファルセットでコーラスを重ねてオリジナルとは違った風合いになった曲に、場内から大きな拍手が送られた。その後「hanashi」「RIDE」を演奏してTENDREは降壇、15分の換気休憩を挟んでOriginal Loveの登場となった。

 昨年末にリリースされた3枚組ベスト盤『Flowers bloom, Birds tweet, Wind blows & Moon shining』からの選曲になるかと思いきや、1曲目は本作には未収録の「フランケンシュタイン」。田島のムッチリとしたボーカルが光る曲だけに、ファンには嬉しい幕開けだ。続く「Xの絵画」では、落ち着いた雰囲気の中でバンドに「ワンモアタイム!」と声をかけて曲を広げていく。佐野康夫(Dr)、小松秀行(Ba)、河合代介(Or)、木暮晋也(Gt)、真城めぐみ(Cho)と、腕達者なメンバーを揃えたバンドならではの当意即妙な演奏が心地よく、「エナジーサプライ」ではソウルフルなグルーヴでフロアを揺らす。そしてマイクを手に「I WISH 」を歌いながら「あけましておめでとうございます。よくいらっしゃいました!」と笑顔を見せた。

 滝のように流れる汗をタオルで拭いながら「皆さんお集まりいただき本当にありがとうございます。おそらく何十年経っても今日のことを絶対に思い出すと思う」と来場した人たちへ、田島は心からの感謝を述べた。そして「まだ完成していないような気がするんですが、新曲をここで無理やりやらせてもらいます」とギターを弾き始めた。

 田島のセミアコースティックギターが柔らかな音でバンドを導き、落ち着いた声で歌い出す。田島が早々に披露したくなるのもわかる、いい曲だ。初めて聴いた曲の余韻に浸る間もなく、「続けて、新しい曲。まだCDにもなっていないのかな」と昨年夏に30周年記念ソングとしてMVが公開された「ソングライン」へ。軽やかなビートに乗って田島のボーカルがカラフルに響く。洗練されたサウンドに30年の含蓄を感じさせるナンバーだ。

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