SixTONES、2ndアルバム『CITY』が大差でチャート首位 ピースフルな雰囲気も随所に、生活との近しい距離感

 それはコンセプトだけではなくて、作品からも伝わってくる。『CITY』を一聴して、肩肘張らないカジュアルな作品だな、と思った。もちろん曲調によっては激しかったりドラマチックだったりする(常田大希が提供して話題になった「マスカラ」や、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』日本語吹替版主題歌「Rosy」を含む「夜」のパートは特にそうだ)。けれども、サウンドにもパフォーマンスにも刺々しさや気負いがなく、かなりストレートにポップなのだ。どちらかというとシリアスな楽曲を揃え、サウンドもやや高域が刺さる鋭くアグレッシブな前作『1ST』とは対照的だ。メンバーのパフォーマンスも、余裕と表現力が増しているように思う。筆者個人として『1ST』では「Coffee & Cream」が一番のお気に入りだったこともあって、『CITY』で「Ordinary Hero」「Good Times」「Everlasting」などレイドバックしたピースフルな雰囲気の楽曲が要所要所でとてもいい存在感を放っているのが率直に嬉しくもある。

 特に「Everlasting」。ゆったりとしたメロディと丁寧なハーモニーがメンバーたちの歌唱をじっくりと味わわせてくれるのはもちろん、ぽこぽことしたちょっと異物感のあるパーカッションがアクセントになって、パリッとしたメジャー感のあるサウンドに変わった厚みを与えているのが面白い。

SixTONES - Everlasting / THE FIRST TAKE

 SixTONESが最近、音楽番組に出演する際には「僕が僕じゃないみたいだ」「マスカラ」「Rosy」あたりを披露することが多く、その印象が強い人も多いのではないかと思う。どちらかといえばロック色強めの、ケレン味あるJ-POP、というか。その良し悪し自体は置いておくとしても、アルバムの充実ぶりを思うと、それだけで終わるのは惜しい。機会があれば聴いて損はない。

 ちなみに、共通収録曲の「8am」のクレジットを見ると、作曲とギターの演奏にダニエル・シーザーが参加している。これもサウンドが少し変わっていて、シンプルなギターリフとハンドクラップを軸とする、ほぼドラムレスのミニマムで洒脱なアレンジが素晴らしい1曲。初回盤Aでは「Interlude」を除けば実質的な1曲目で、特にインパクトが強かった。「なるほど」と思いつつ、ふと見かけるには意外な名前だった。

※1:https://www.sixtones.jp/discography/d009/

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