SixTONES、2ndアルバム『CITY』が大差でチャート首位 ピースフルな雰囲気も随所に、生活との近しい距離感

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2022-01-17/

 2022年1月17日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはSixTONESの2ndアルバム『CITY』で、推定売上枚数は469,613枚。次いでサバイバルオーディション番組『Girls Planet 999 : 少女祭典』発のグループ Kep1erの初作『FIRST IMPACT』が2位につけた(推定売上枚数は10,325枚)。ほか、トップ10内で今週初登場となるのは3位 -真天地開闢集団-ジグザグ『慈愚挫愚 参 -夢幻-』(8,498枚)、4位『A3! SUNNY AUTUMN EP』(8,255枚)、6位 ASP『PLACEBO』(6,412枚)となった。

 新譜以外で興味深いのは藤井風が2020年にリリースした1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』が8位に再浮上していることだ。2021年末の『第72回NHK紅白歌合戦』でのパフォーマンスが高く評価され、年が明けた2022年1月2日には自身の公式YouTubeチャンネルで『HAPPY NEW YEAR 2022 - ねそべり紅白』を生配信。この一連の流れで、藤井風がいっそう知名度を上げたことが窺える。当初同作の初回限定版に収録され、2021年に別途再リリースされたカバーアルバム『HELP EVER HURT COVER』も22位にランクイン。EPやシングルを精力的に発表している一方でフィジカルリリースはこの2作のみ。『紅白』で披露した「きらり」も配信シングル曲だ。そうした事情も今回の2年ごしの再浮上に関わっているだろう。次回作はとんでもない売れ方をするかもしれない。

 少し寄り道してしまったが、今回取り上げるのは首位のSixTONES『CITY』。前作『1ST』からほぼ1年で発表された2ndアルバムだ。初回盤A・B、通常盤の3バージョンがあり、収録曲中16曲までが共通で、各バージョンごとに異なる楽曲が2〜3曲ずつ収録されている。さらに共通の16曲も曲順が組み替えられている。となると「どのバージョンを聴いたか」でアルバムとしての印象も変わってくる。あらかじめ書いておくと、筆者が執筆時点で聴くことができたのは初回盤Aだ。

SixTONES – Rosy [YouTube ver.]

 公式サイトによれば、タイトルの『CITY』があらわすところは「何気ない日常の出来事や物語が集まる場所」(※1)とのこと。「朝・夕方・夜・真夜中」という時間帯ごとに楽曲をまとめ、各バージョンで1日の始まるタイミングが変わっている……という仕掛けだ。つまり、初回盤Aは「朝」から、初回盤Bは「夕方」から、通常盤は「夜」から始まる。いきおい、どのバージョンもアルバム冒頭が「Interlude」から始まるという奇妙な構成になっているのだが、これが存外に重要なポイントになっているように思う。アルバム全体で決まった「はじまり」と「終わり」がない。むしろ日常という円環を志向している。なんだか表現が物々しくなったけれども、つまりは普段の生活と距離がすごく近く感じられるということだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「チャート一刀両断!」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる