LUNA SEA、30周年記念ツアーグランドファイナルで刻んだ新たなる伝説 貫き通した“音楽を止めない”という信念

LUNA SEA、30周年記念ツアーファイナルレポ

 インターバルを挟んで始まった二部は、荒々しい真矢のドラムにテンションがあがる「JESUS」からスタート。休憩で落ち着いた会場の空気も一気に再熱し、ファンは拳を高く突き上げる。疾走感溢れる「Closer」でさらにボルテージが上がったところで、「DESIRE」、「SHINE」と続けざまにキラーチューンが投下され、熱狂するファン。RYUICHIとSUGIZOが顔を寄せ合って一つのマイクで歌ったかと思えば、INORANとSUGIZOが背中合わせでギターをかき鳴らしたり、ドラム台にINORANがのぼって真矢と笑い合ったり、4人がステージの真ん中に集まったりと、このステージを心から楽しむメンバーの姿が見られた。

 ここでファン投票によって選ばれたレア曲「FEEL」が始まると、歓声こそ聞こえないものの、その場で飛び跳ねたり、思わず胸を押さえたりするファンの姿も。重厚感のある尖ったギターのサウンドと圧倒的な表現力を感じさせるボーカルで、圧巻のステージを見せた5人に、拍手はいつまでも鳴りやまない。極上のバラード曲「I for You」では、RYUICHIが溢れる感情を全身で伝えるように、マイクのコードを掴みながら声を振り絞る。4人の演奏も、この日のRYUICHIのボーカルに完璧にフィットしたエモーショナルなグルーヴ感を生み出していた。ライブ定番曲の「ROSIER」では、INORANがコーラスでRYUICHIの歌声を支える。Jが「行くぞ、スーパーアリーナ!」と叫びながらクールにマイクスタンドを放り投げ、SUGIZOの華麗なギターソロに入ると、会場には熱狂の渦が巻き起こる。本編ラストは「BELIEVE」。RYUICHIはここでもハイトーンを響かせ、最後の最後まで攻めの姿勢を崩さない。その姿と、彼を支える4人の演奏に、惜しみない拍手がおくられた。

 アンコールでは、コロナ禍でつくりあげた「Make a vow」を披露し、その後のMCパートでメンバーが一人ずつ今の思いを語った。真矢は「この2年間は心中も平穏じゃなかったと思うけど、結果みんながこうやって笑顔になってるなと思って泣きそうになった。そしてRYUちゃんが全身全霊で表現してくれて……」と言葉を詰まらせ、その姿にRYUICHIも目頭を押さえていた。SUGIZOは、「このコロナ禍で、ライブできることが奇跡だと学んだ。LUNA SEAは、音楽が不要不急じゃないと証明する責務がある。命ある限り俺たちは、LUNA SEAという旅を続けます。今この一瞬一瞬を全力で生きましょう。そして最後までお互いLUNA SEAでいましょう。世界中のみんな、心から最っ高に愛してるぜ!」と力強く語った。そして、SUGIZOから“命を削って歌っている唯一無二のボーカル”と紹介されたRYUICHIは、「このあと声帯のオペをすることになっていますが、光しか見えていません。その先には、もっともっと強い光がある。今日何より実感したのは、本気になれることや人生を懸けられることが、LUNA SEAであること。不安を言ったらキリがないけど、そんなことよりも本気になれる人生や仲間と出会えた、そしてこの景色を眺めている。必ず帰ってきます。待っていてください」と、SLAVEの前で復活を誓った。

 そして「お前らかかってこい!」というRYUICHIの激しい煽りをきっかけに、ライブはついにラストへ。数々の伝説のライブを共にした名曲「WISH」、そしてアルバム『CROSS』のラストを飾る「so tender…」を披露。限界まで力を振り絞り、最高のパフォーマンスを披露したRYUICHIは、最後に「愛してるよ、バイバイ!」と叫んだ。

 今のLUNA SEAにしか成し遂げられないステージで、彼らの長い歴史に新たなる伝説のライブを刻み付けた5人。この思い出を胸に、完全復活の日を待ちたい。

■セットリスト
『LUNA SEA 30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL』
2022年1月9日(日)開場13:30/開演15:00 さいたまスーパーアリーナ

第1部
01. LUCA
02. Déjàvu
03. Pulse
04. PHILIA
05. 宇宙の詩~Higher and Higher~
06. anagram
07. BLACK AND BLUE
08. 悲壮美

第2部
01. JESUS
02. Closer
03. DESIRE
04. SHINE
05. FEEL
06. I for You
07. ROSIER
08. BELIEVE

ENCORE
01. Make a vow
02. WISH
03. so tender...

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