櫻坂46、『3rd Single BACKS LIVE!!』が生み出した新たなドラマ 16名の決意が込められた渾身のステージ

櫻坂46『BACKS LIVE!!』で生まれるドラマ

 その後、赤&白の衣装へと着替えたメンバーのダンストラックに続き、「美しきNervous」からライブ後半戦へ突入。ここでは激しい動きの中で美しい笑みを浮かべる上村莉菜がセンターを務め、華やかな空気を充満させていき、「無言の宇宙」では関が楽曲の持つ大らかさをその凛とした佇まいで表現し、観る者を温かく包み込む。そして、メンバーの『BACKS LIVE!!』への思いが語られるVTRを経て、尾関梨香センターによる「Buddies」へと続くのだが、前回の『BACKS LIVE!!』を欠席した彼女のBuddiesへの思いと歌詞がリンクし、より強く響く結果に。彼女は昨年7月の『W-KEYAKI FES.』で活動再開しているのだが、〈Yo! 元気かい? 君に会いたかったよ〉というフレーズ含め、尾関がこの曲に込めた思いが伝わったのではないだろうか。

 そんな感動的なひとときを経て、武元唯衣センターによる「Nobody’s fault」でライブも佳境へ。前回の『BACKS LIVE!!』以降、着実に自信をつけた彼女のこの日のパフォーマンスは、もはや無敵と言えるものだった。と同時に、もっと彼女がセンターに立つ楽曲を観てみたいと思ったことも付け加えておく。そして、初日公演では幸阪がセンターを務めた「Dead end」を、この日は藤吉が新たにセンターを務めた。森田ひかるがセンターに立つオリジナルバージョンとシンクロする瞬間が多々ありながらも、藤吉らしいクールさを前面に打ち出すことで、楽曲を新しい魅力で彩っていった。

 いよいよラストナンバーの時間だ。不穏なSEに乗せて、履いていたブーツを脱いで次々に放り投げていくと、裸足になったメンバーはそのまま「流れ弾」へなだれ込む。初日公演では大沼センターによる圧巻のパフォーマンスが展開されたが、この日は小池がセンターに立つことに。彼女らしい迫力のあるダンスは非常に見応えあるもので、その全身全霊のパフォーマンスは観ているこちらが息をすることを忘れてしまうほど圧倒的なものだった。披露するたびに進化を続ける田村保乃によるオリジナルバージョンはもちろんのこと、今回の『BACKS LIVE!!』でお披露目となった大沼バージョンも小池バージョンも、それぞれの色が強く出たことにより異なる魅力を放っており、優劣などつけられるはずがない。それだけ櫻坂46は層が厚いグループへと成長したという表れなのだから。

 アンコールではメンバー数名が、この2日間の感想を語っていく。遠藤は自身が担当した「BAN」について、「この曲をやるに当たってお正月のお休み期間に歌詞の意味をじっくり考えてみたのですが、自分なりの解釈と今日の気持ちと今までのいろんな気持ちが合わさって、全部パフォーマンスにぶつけられたので、今日はスッキリしました」と話す。続く藤吉は「今回で音楽っていいなとすごく思いましたし、皆さんと音楽を一緒に共有しながら遠くまで歩いていけたら嬉しいです」と、ポジティブなコメントを寄せた。

 その一方で、小池は「今回のライブは『BACKS LIVE!!』という名前なんですけど、私は櫻坂46のライブとして観てほしいなと思っていて……」と涙を浮かべながら語り始める。彼女は続けて「櫻エイトとかBACKSという名前はあるけど、みんなすごく輝いているし魅力があるので、それがみんなに伝わってほしいなという気持ちで今回臨んでいます。BACKSというもの自体のイメージが変わったらいいなと思っていたので、それも伝わっていたら」と思いを告げたが、この2公演を会場や画面越しで観た者なら、彼女の思いはしっかり伝わっていたはずだ。最後に松田が「それぞれいろんな思いを持ってこの『BACKS LIVE!!』に挑んでいて、葛藤もあったと思うんです。だけど、このライブで生まれる感情は自分たちの中でも特別なものであって、この経験をこれからの櫻坂46全体の活動にも活かしていきたいなと思いますし、こういう大変な時期にこんなにも大きな会場でたくさんの方に足を運んでいただけたことに対して、私たちも『BACKS LIVE!!』で得たものを力に変えて、Buddiesの皆さんに何かお返しできたらいいなと思います」と新たな決意を口にし、客席が桜色のペンライトで染まる中、「櫻坂の詩」でライブを締めくくった。

 メンバー一人ひとりが抱える思いが交差し、さまざまなドラマを生み出した今回の『3rd Single BACKS LIVE!!』。昨年12月の『櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』でデビュー2年目に突入したばかりの櫻坂46だが、今回の2公演を経験した16名にとって非常に重要な経験になったはずだ。と同時に、この2日間は2022年の櫻坂46にとっても大きなターニングポイントになるのではないか。今後リリースされるであろう4thシングルや、その後のライブ活動にどのような影響を与えるのか、その結果を楽しみに待ちたい。

■セットリスト
『櫻坂46 3rd single BACKS LIVE!!』
2022年1月9日(日)東京ガーデンシアター
00. Overture
01. ソニア
02. BAN
03. 半信半疑
04. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
05. 最終の地下鉄に乗って
06. 君と僕と洗濯物
07. Microscope
08. 偶然の答え
09. 思ったよりも寂しくない
10. 美しきNervous
11. 無言の宇宙
12. Buddies
13. Nobody’s fault
14. Dead end
15. 流れ弾
<アンコール>
16. 櫻坂の詩



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