櫻坂46、『3rd Single BACKS LIVE!!』が生み出した新たなドラマ 16名の決意が込められた渾身のステージ
櫻坂46の3rdシングル『流れ弾』の“BACKS(各フォーメーションの3列目)メンバー”による単独ライブ『3rd Single BACKS LIVE!!』が1月8日・9日に東京ガーデンシアターで開催された。昨年6月16~18日に舞浜アンフィシアターで行われた前回の『BACKS LIVE!!』以来、半年ぶりとなる今回は、小池美波や藤吉夏鈴など、“櫻エイト”(各フォーメーションの1、2列目に立つメンバー8人)経験者を含む16名が参加。「私たちが、櫻坂46を、強くする。」をテーマに、メンバーそれぞれが立候補した楽曲でセンターに立つ見応えのある内容でBuddies(ファンの総称)を熱狂させた。本稿では9日公演について記す。
「Buddies、ぶち上がるぞ!」という大沼晶保、守屋麗奈の勢い溢れる影アナに続き、スクリーンには前回の『BACKS LIVE!!』の映像と今回の参加メンバーからの意気込みが紹介されていく。そして「Overture」に続いてステージを覆っていた幕が上がると、「SAKURAZAKA46 BACKS LIVE!!」のロゴが入った円形オブジェが中央に設置された比較的シンプルなステージが登場。そのオブジェの中央から白衣装を身にまとったメンバーが続々と登場すると、ライブはBACKSメンバー初のオリジナル曲「ソニア」から華々しくスタート。センター小池を中心に展開されていくパフォーマンスは非常に息の合ったもので、その一糸乱れぬ動きからは彼女たちのこのライブにかける強い思いが早くも伝わってきた。
1曲終えると、副キャプテンの松田里奈を中心としたMCパートへ。今回の『BACKS LIVE!!』への意気込みを聞かれた原田葵は「どの曲で誰がセンターをやるのか(を観ること)も楽しいと思うけど、その後ろにいるメンバーも普段参加していない曲で踊っていたりするので、一人ひとりの表情の細かなところにも注目していただけたらと思います」と語る。幸阪茉里乃は「昨日も今日も本番前は死ぬほど緊張したんですけど、『ソニア』が始まってBuddiesの皆さんを見た瞬間、笑顔になれたので、今日も最後まで笑顔で、全力でやれたら」、関有美子は「新年一発目に皆さんとお会いできて本当に嬉しくて。ここですごくいいライブを作れたら、櫻坂も(2022年に)いいスタートが切れるんじゃないかなと思うので、今日も頑張ります」、齋藤冬優花は「昨日もメンバーとBuddiesの皆さんで作るライブが本当に楽しかったので、昨日を超えるパフォーマンスをしたいですし、今日来てくださったBuddiesの皆さん、配信で観てくださっている皆さんに『今日のライブを観られてよかった』と思ってもらえるよう、精一杯頑張ります」と、それぞれ力強く宣言した。
Buddiesへの挨拶を終えると、メンバーそれぞれの個性と表現力の高さが際立つダンストラックへ突入。初日とは異なるメンバーがフィーチャーされ、一人ひとりの輝く瞬間が2日間を通してしっかり用意されていた。こういった場面で気づかされるのが、メンバーの自信に満ちた表情だろう。前回の『BACKS LIVE!!』は櫻坂46初の有観客ライブということもあり、オーディエンスからどのような反応があるのか不安を感じていたメンバーも少なからずいたはず。しかし、その『BACKS LIVE!!』での手応えと、7月から12月にかけて多数行われたグループ全体でのライブを経験したことで、櫻坂46の一員であることに対する自信と責任を強く感じられたのではないだろうか。その意識の向上は、この2日間のライブのあらゆる場面で感じ取ることができた。
ダンストラック後の「BAN」で、初日の松田に替わり、この日センターに立ったのは遠藤光莉。彼女は前回の『BACKS LIVE!!』でもそのダイナミックなダンスで観る者を魅了したが、この日もステージ映えする大きな動きでBuddiesを惹きつける。かと思えば、齋藤がセンターを務める「半信半疑」では上半身のしなやかな動きと表情の作り込みで緩急を付け、藤吉センターの「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」ではMV同様に糸を使ったパフォーマンスを交えながら、圧倒的な存在感を放ち続ける。メリハリの効いたダンスチューンが続いたかと思えば、次のブロックでは井上梨名センターの「最終の地下鉄に乗って」でクールダウン。前回の『BACKS LIVE!!』で自分の中での課題を見つけたという彼女だったが、この日の佇まいからは不安要素が一切感じられない、堂に入った表現を体感できたBuddiesも多いことだろう。一方、原田センターの「君と僕と洗濯物」、大園玲センター「Microscope」では2人の個性が強く反映された、原曲とは違う雰囲気を楽しむこともできた。
以降も守屋麗奈センターの「偶然の答え」、増本綺良センターの「思ったよりも寂しくない」と新2期生がフロントに立つ曲が続く。2人のパフォーマンス力や表現力は前回から格段に進化しており、憂いに満ちた守屋の表情や持ち前の天真爛漫さが発揮された増本のダンスなどそれぞれ見どころも多く、もはや彼女たちも重要な戦力でありグループに欠かせない存在であることに気づかされる。