和ぬか、2021年に上げた人気と知名度 日本中を踊らせた独特な“和と韻”から生まれる中毒性
楽曲だけでなく和ぬかの歌声も魅力的である。中性的で落ち着いた声質は心地よい。楽曲の持つ特徴として音階が大きく上下することがないためか、叫んだり過剰に感情を込めて歌うことはない。しかし一つひとつの言葉を丁寧な発音で歌っている。「ニゲラ」で裏声を使う歌唱をしても、アップテンポで三連符のフレーズがある「The Fog」のような疾走感ある楽曲でも、それは変わらない。常に言葉を大切にした歌唱を行っているのだ。和ぬかの楽曲はノリやすくダンスミュージックの要素がある楽曲が多いが、歌はフォークソングのように言葉がしっかりと伝わってくる。その組み合わせによって、他にはない個性的な音楽になっている。歌声によって楽曲の魅了が引き出されているし、この楽曲だからこそ歌声の魅力が最大限に伝わるとも言える。
2021年12月にも新曲「ビーユアセルフ」を配信リリースしている。和と韻という持ち味を、デビュー当初よりもさらに磨きをかけてクオリティを高めているとも感じる。〈幾万年もあなたの寝床になりたいよ〉という、ユーモアを交えつつも愛を感じるフレーズが耳から離れない。新しい代表曲の一つにるかもしれない。
和ぬかは2021年12月29日に自身のTwitterアカウントで「来年、和ぬかは誰も予想できぬ道に向かって進んでいきます。」とツイートしている。今後も新しい挑戦やさらに飛躍するための活動を示唆しているのかもしれない。きっと2022年は和ぬかが、自身の才能を知らしめる年になることだろう。