『呪術廻戦』『鬼滅の刃』『東京リベンジャーズ』……2021年、アニメと共に活躍の場広げた声優たち
アニメと共に世の中を盛り上げる声優たち
今年4月から約半年に渡って放送されたアニメ『東京リベンジャーズ』は、近年注目を集めている80年代のヤンキー文化とタイムリープを融合したオリジナリティも手伝って、原作コミックスは累計発行部数4000万部を突破。7月に北村匠海らの出演による実写映画が公開されるダブル映像化も話題を集めた。また、12月には『聖夜決戦編』のTVアニメ制作決定やオリジナルアプリゲームなどが発表されたことで、2022年以降もさらに人気拡大が期待される。
その人気は音楽シーンにも及び、Official髭男dismが歌ったオープニング主題歌「Cry Baby」は、ストリーミング累計再生回数が2億回を突破。『血のハロウィン編』を彷彿とさせるスクラップの山で歌うMVも話題となり、『MTV VMAJ 2021』で最優秀ビデオ賞などを受賞した。主要キャラクターの1人である、東京卍會の総長・佐野万次郎(マイキー)を演じた林勇が、マイキーとして同曲を歌った動画「Cry Babyマイキーver.」は現在までに340万回を超える再生回数を記録している。
林勇は声優として活動するほか、2013年からユニット・SCREEN modeのボーカルとして音楽活動も行っており、これまでに『文豪ストレイドッグス』(TOKYO MXほか)や『食戟のソーマ』(毎日放送、TOKYO MXほか)などのテーマソングを担当。昨年にはKing & Princeのアルバムに収録された「Amazing Romance」にコーラス参加している。今年1月にはSCREEN modeの3rdアルバム『With You』をリリース。また、昨年開設したYouTubeチャンネル『林勇Tube!!』では、ソウルフルなハイトーンボイスで、スキマスイッチやback number、miletなどの楽曲を歌い好評を得ている。
『東京リベンジャーズ』のヒロイン・橘日向を演じた和氣あず未も、『カノジョも彼女』(TBS系)、『白い砂のアクアトープ』(TOKYO MXほか)、『ラブライブ!スーパースター!!』(NHK Eテレ)など多くの人気作品に出演した。彼女がスペシャルウィーク役を務める『ウマ娘 プリティーダービー』も今年を代表するコンテンツとなり、多くのイベントに出演したほか、大晦日に放送される『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル』(TBS系)にも出走する予定だ。
これらの作品のヒットは、コロナ禍という状況による部分も多かっただろう。『鬼滅の刃』の“鬼”や『呪術廻戦』の“呪い”といった得体の知れない脅威は、新型コロナウイルスが形を変えながら人類の存続を脅かしている現実世界と通ずる部分もあるように感じた。傷つきながらも成長を遂げていく竈門炭治郎や虎杖悠仁ら主人公たちに何度も勇気付けられ、煉獄杏寿郎、五条悟、マイキーなどは圧倒的なリーダーシップを持つ存在として、彼らのようなリーダーを求める深層心理が作品人気に表れているのかもしれない。またこれら作品がもたらした経済効果も日本に元気を与えてくれた。今という時代を映した作品と声優の活躍は、2022年も様々な形で日本を支える一助となることだろう。