花江夏樹、下野紘、松岡禎丞、日野聡……『鬼滅の刃』キャスト、人々を“声優沼”へ誘った活動を辿る

 『遊郭編』の放送に期待が高まっているアニメ『鬼滅の刃』。それに先駆け、フジテレビ系ではアニメ第1期の特別編集版が放送され、明日9月25日には日本歴代興行収入1位を記録した『劇場版 「鬼滅の刃」 無限列車編』がテレビ初放送される。『鬼滅の刃』は、キャラクターグッズが数え切れないほど発売されているほか、現在は浅草やユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどでコラボイベントが開催されるなど、未だ衰えることのない人気を誇っている。メインキャラクターを務めた声優たちの活躍もめざましく、声優という職業の存在をアニメファン以外にも広く知らしめた。本稿では、『鬼滅の刃』で好演を見せる男性声優陣から、花江夏樹、下野紘、松岡禎丞、日野聡をピックアップし、この1年の活動を振り返る。

さらに磨きがかかった声と演技の魅力

『ねこ115号』2020年8月号

 主人公の竈門炭治郎を演じた花江夏樹は、『鬼滅の刃』に出演する以前から数多くの作品でメインキャストを務めてきた。『東京喰種トーキョーグール』(TOKYO MXほか)の金木研/佐々木琲世、『四月は君の嘘』(フジテレビほか)の有馬公生、『斉木楠雄のΨ難』(テレビ東京系)の鳥束零太、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(TBS系)のビスケット・グリフォンなどを演じ、その役柄の幅広さは声優界でも有名で、演技力の高さを感じさせる。今年は『オッドタクシー』(テレビ東京ほか)の小戸川宏、『ヴァニタスの手記』のヴァニタス、『死神坊ちゃんと黒メイド』の坊ちゃん、『月が導く異世界道中』(前2作合わせて全てTOKYO MXほか)の深澄真などを演じ、さらには劇場アニメ『漁港の肉子ちゃん』や『サイダーのように言葉が湧き上がる』などにも出演。磨きがかかった声と演技力によって、より一層魅力が増している。

 『無限列車編』が公開された昨年10月には、約5年半レギュラーMCを務めていた『おはスタ』(テレビ東京系)を卒業し、映画の大ヒットと並行するように『情熱大陸』(TBS系)や『さんまのまんま』(フジテレビ系)などにも出演。さらに番組やCMのナレーションも数多く担当している。

TVアニメ『死神坊ちゃんと黒メイド』OPテーマ「坊ちゃん(CV. 花江夏樹)&アリス(CV. 真野あゆみ)/満月とシルエットの夜」フルサイズアニメMV

 歌声にも定評がある花江だが、今年は『死神坊ちゃんと黒メイド』のOPテーマ「満月とシルエットの夜」でアリス役の真野あゆみとデュエットしたほか、ユーザー参加型マルチメディアコンテンツ『MILGRAM』のミコト役として「MeMe」、DECO*27のカバー「毒占欲」をリリース。「MeMe」のMVは、YouTubeで220万回以上再生されている(9月23日時点)。炭治郎やナレーションなどから花江が気になった人は、「MeMe」を聴けば彼の多才さに驚き、きっとその魅力にハマるはずだ。

MILGRAM -ミルグラム- / ミコト「MeMe」第一審MV

 我妻善逸役を務めた下野紘もまた、『神のみぞ知るセカイ』の桂木桂馬、『バカとテストと召喚獣』(共にテレビ東京ほか)の吉井明久、『進撃の巨人』(NHK総合)のコニー・スプリンガー、『弱虫ペダル』(テレビ東京系)の鏑木一差、『K』(MBS・TBSほか)のコトサカなど数多くの人気作品で活躍してきた。今年も『バクテン!!』(フジテレビ系)、『怪物事変』、『小林さんちのメイドラゴンS』(共にTOKYO MXほか)などに出演。特徴的な声で知られる下野だが、コメディからシリアスまで実に多彩な演技を披露している。また、花江同様、様々な番組でナレーションを担当しており、特に『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)ではそのハイトーンボイスを用いて、アーティストのパフォーマンスを盛り上げている。

 嘴平伊之助役を務める松岡禎丞も、『鬼滅の刃』を機にさらに知名度が高まった声優だ。先日最終回を迎えた『東京リベンジャーズ』(テレビ東京系)では三ツ谷隆役を、また『五等分の花嫁』(TBS系)では五つ子姉妹に振り回される上杉風太郎役をそれぞれ好演。そして花江や下野と同じく、『I LOVE みんなのどうぶつ園』(日本テレビ系)など地上波ゴールデンタイムの番組にてナレーションを担当するなど、すでに彼の声を無意識に聞いている人も多いはずだ。

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