EXILE Album History 〜第四章〜
EXILE、アルバムで辿る軌跡 第四章:表現の幅広さで“継承と進化”を印象づけた次世代の姿
2021年9月27日にデビュー20周年を迎えたEXILEが、2022年1月1日に12枚目となるアルバム『PHOENIX』をリリースする。オリジナルアルバムとしては、EXILE ATSUSHIを含む“15人体制”で制作した前作『STAR OF WISH』以来、約3年半ぶり。EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO、小林直己、岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹から成る“新生EXILE”にとっては初のアルバムだ。それに伴い、活動の節目を彩ったアルバムたちをピックアップしておさらい。第3回は、第四章EXILEの作品を通して、彼らの歴史を紐解いていく。
EXILE HIRO、松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAI、EXILE AKIRA、EXILE ATSUSHI、EXILE TAKAHIROから成る“第二章EXILE”に、J Soul Brothers(二代目)のメンバーだったKENCHI(ケンチ)、KEIJI(啓司)、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、NAOKIを迎え、14人体制で活動していた2013年。41stシングル『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』のリリース日である4月3日に、EXILEのリーダーであるHIROは、2013年内でパフォーマーを勇退することを発表した。そのニュースはそれまでEXILEを応援してきたファンだけでなく、音楽シーン全体にも衝撃だった。だが、勇退時にHIROが「(EXILE勇退後は)僕が踊らなくなるだけです。でも僕のイメージがより濃くなると思う。失速するのは絶対に嫌。僕が引くことでさらに加速するように、心がけてきたつもりです」(※1)と語ったように、EXILEは間もなく新パフォーマーを募集する『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』の開催を発表。2000名以上の挑戦者たちが名乗りを挙げ、2014年4月27日、最終決戦の地・日本武道館にはGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーや、後にTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEとなる将来有望な原石たちの姿があった。そして、強者揃いのファイナリストの中から、三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典、GENERATIONSの白濱亜嵐・関口メンディー、一般枠からの参加となった(山本)世界・佐藤大樹が新メンバーとして加入。18人体制(HIROを含めると19人)の第四章EXILEが幕を開けた。
それから1年が経とうとしていた2015年3月25日、約3年ぶりのオリジナルアルバムであり、新体制としては初となるアルバム『19 -Road to AMAZING WORLD-』がリリースされた。とはいえ、前年の2014年はLDHの総合エンタテインメントの祭典『EXILE TRIBE PERFECT YEAR』の開催年で、EXILE TRIBEとしての活動が盛んだったため、EXILEとしてのリリースは、第四章初の音源である44thシングル『NEW HORIZON』(2014年7月23日)のみ。本作においては、その収録曲「NEW HORIZON」と「Craving In My Soul」(MVには新メンバーのオーディション時のライブも映されている)、45thシングルの表題曲「情熱の花」(2015年3月4日)が新体制後の楽曲にあたる。DVD&Blu-rayには各曲のMVも収録されており、EXILE初のフラメンコ調のミディアムナンバー「情熱の花」のMVは、“男性目線の禁断の恋”を描いた歌詞とリンクした、三角関係を思わせるセクシーな映像に。20代のフレッシュなメンバーが多数加わった第四章にしては少し意外にも思える内容だが、新メンバーには、当時俳優として注目を集め始めていた岩田や、EXILEに加入する以前から俳優業をしていた佐藤など、演技派が顔を揃えており、“幅広い表現で魅了する次世代EXILE”の姿を見せる絶好の機会となった。
その一方で、神話のようなスケール感で制作された「NEW HORIZON」のMVにはHIROの姿があり、他にも、まだ14人体制で活動していた2012年に2カ月連続でリリースされたシングル曲「ALL NIGHT LONG」(2012年6月20日)や「BOW & ARROWS」(2012年7月25日)、ベストアルバム『EXILE BEST HITS -LOVE SIDE / SOUL SIDE-』(2012年12月5日)をリリースした際、HIROの結婚を祝してメンバー全員でコーラスした「Bloom」などを収録。タイトルに“19”と記されているように、勇退してもなお、随所にHIROの魂が息づいている。