『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA』
BTS、LA公演で見せた音楽好きな7人の初心 ARMYから送られる熱量がエネルギーに
「しっかりエネルギーをいただいたので、世の中で一番エネルギーあふれるダイナマイトを爆発させます!」
BTSが11月27、28日、12月1、2日(現地時間)にかけて、アメリカ・LAにあるSoFiスタジアムで開催した『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA』を完走した。今回開催された『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA』の本編は、10月に行なわれたオンラインコンサート『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE』と大きな流れは同じ構成だった。だが、生配信されたラスト公演を観ていると前回の無観客ステージとはまるで別物のように感じられた。その最大の理由は、やはり観客席から彼らに送られる熱量に他ならない。直接、歓声を受け、1人ひとりの表情を確認し、共に歌って、踊って、笑い合う。その目には見えない熱いモノの交換こそが、彼らのエネルギーになっているのだ。
「Make Some Noise!」と叫びながら檻のようなセットから飛び出した7人は、これまでオフラインコンサートがなかなかできなかった時期の迷いや苦悩を発散させるような開放感を滲ませていた。やっと、やっとこの大歓声の中で歌える、そんなワクワク感が目に見えるようだった。
「ON」「FIRE」と続き、メンバーが自撮りするように至近カメラに切り替わった「DOPE」では、弾ける笑顔でしなやかにダンスを魅せてきたJ-HOPEの肌が汗で光っているのがわかった。SUGAが力強くラップを披露するときにはジッと客席を凝視していること、そしてMC時にはたっぷりと時間をかけて髪をかき上げるなどファンサービス旺盛なところも再認識できた。
RMは「Boy With Luv」の歌詞を一部、〈But 너의 상처 is my 상처 You know 난 다짐했어요 너한테 끝까지 갈거라구요 이카루스의 날개로 Let’s go!(だけど君の傷は僕の傷 知ってるよね 僕は決心したんだって 君のもとへ最後まで行こうと思うんだ イカロスの翼で さあ行こう!)〉とアレンジして歌ってみせ、JUNG KOOKは炭酸ガスの出るジェットガンでJIMINを攻撃して笑いを誘うなど、それぞれにのびのびとしたパフォーマンスを披露してくれた。
また、12月4日に誕生日を控えていたJINに、ARMY(BTSのファン)はネームプレートやソロ曲「Moon」にちなんだ月の形に光るようにアミボム(ペンライト)を工夫したりと、サプライズ演出でお祝いの気持ちを表現。そんなARMYへの想いに応えるように、JINもアンコールではBT21のRJのぬいぐるみを頭にくくりつけて登場して喜ばせたやりとりも。
さらに「(ARMYがいる)ここがホームです」と「HOME」の熱唱から始まったアンコールでは、コラボ曲「My Universe」を歌うColdplayのクリス・マーティンまでステージに登場して、まさにお祭り騒ぎの盛り上がり。“歌で人を幸せにしたい”、”ライブが楽しくて仕方ない”という音楽好きな7人の青年の初心とも言える姿が、そこにはあった。トロッコで観客席ギリギリまで近づき、指ハートや投げキス、何度も「ARMY!」と叫ぶ……そんなARMYを前にしているからこそ観られるメンバーの表情が、生き生きとしていて眩しかった。Vの「本当に今日そして昨日ARMYの皆さんの叫び声(歓声)、熱気そして目、本当にすべてを感じて帰ります。今日の夢でもう一度コンサートしましょう。本当に愛してます。I LOVE YOU. We purple you!」という言葉も印象的だ。きっとコンサートの醍醐味は、そんな彼らのパフォーマンスを直接見届けられるのはもちろん、ファンの声援で元気になる姿を見て嬉しく思えること、美しいウェーブに同じファンとして誇らしい気持ちになることも、ライブ会場で得られる大きな喜びなのだと、観客としての初心も約2年ぶりに実感できた時間だった。
最終公演を終えた夜、RMとJUNG KOOKはV LIVEにて「まだ信じられない。不思議じゃない?」「言葉通り、夢みたいです。夢を叶えた」と興奮冷めやらぬ表情で感想を語った。およそ2年前まで当たり前のように続くと思っていた光景。だが、求めても求めてもなかなかその日常は帰ってこなかった。