NiziU、圧倒的大差でアルバムチャート首位獲得 収録曲に表れる洗練と親近感のバランス

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2021-12-06/

 J-POPの王道である「歌と、歌詞によるストーリー」主義なのか、勢いの止まらないK-POPが見せてくれる「ビートとトラック」主義なのか。2カ月前にSnow Manで書いたテーマがまたしても浮上しました(※1)。今週1位のNiziU。1stアルバム『U』は初週で17.9万枚と圧巻のセールスを記録しています。

 そもそもの成り立ちがJ-POPとK-POPの融合。ソニーミュージックとJYP ENTERTAINMENTがタッグを組むことで生まれたこのスーパーグループは、「Make You Happy」での“縄跳びダンス”のインパクト、『NHK紅白歌合戦』への出場、そしてこのアルバムに至るまで、完璧な道のりを歩んでいるように見えます。

 NiziUの路線は、「ラブリー&ハッピーな少女たちの成長物語」と定義できるものです。全員がそれぞれ魅力的で、溌剌としたスポーティさもあり、掛け声は毎回元気いっぱい。もちろん推し要素は雰囲気やビジュアル面の話だけではなく、キレのあるダンスには惚れ惚れするし、英語の発音をここまで意識している国内グループは本当に稀ですね。

 サウンドはKとJの中間。本当にそうとしか言いようのない作りです。ダンサブルなトラックの面白さに耳が惹きつけられるけど、うなる低音よりは賑やかな高音域のほうがやや強調されている(K要素2割減)。たいせつな〈君〉への思いを散りばめたポップソングが多く、とはいえ歌詞で引っ張っていく物語性はそこまで高くない(J要素2割減)。このあたりのバランスがもう、完璧なまでに徹底している。なんとなくで作れるものじゃないです。強烈なマーケティングとブランディング能力を感じます。

NiziU 『Make you happy』 M/V

 例えばプレデビュー曲「Make you happy」。J.Y. Park自らが制作に関わり、作詞はYuka Matsumoto(TWICEや2PMの仕事でも知られる)がサポート。R&Bベースの曲かと思いきや、これはドゥーワップやオールディーズを下敷きにした底抜けに明るいポップソングで、古い例で申し訳ないが、プッチモニ「ちょこっとLOVE」を一瞬思い出しました。歌詞も聴き取りやすく、ゆったりした譜割りがメイン。つまりJ-POP/歌謡曲としてめちゃくちゃ歌いやすいのだけど、中盤、2分を超えたところから始まるラップパートで彼女たちはいきなり本気の加速を見せます。わかりやすい親近感があると思って近づいてみれば、鮮やかなプロ根性にしてやられる。そんな爽快感を覚えます。

 また2ndシングル『Take a picture/Poppin’ Shakin’』収録の「I AM」。ヒップホップ色の強い曲で、〈好きな物は好き〉〈嫌いなものは無理〉〈他人を気にする暇はない〉と続く歌詞は、ガールクラッシュ的で超クール。ミニマルなトラックに乗って曲はテンポよく進んでいきますが、サビの〈Goin’ on & on/どんな時も/変わらない〉の箇所でJ-POPに急転するのです。

NiziU「I AM」



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