あゆみくりかまき、CY8ER、et-アンド-……“解散”と“結成”から見渡す2021年のアイドルシーン

 2021年も間もなく終わろうとしている。今年も新型コロナウイルスの影響で、音楽ライブなどを鑑賞の際、観客はマスク着用を必須とし、声を出しての応援や場内を動き回るなど行動が制限される場合がほとんどだった。2020年に比べると、中止措置をとるライブイベントは多くはなかった。それでもライブハウス側の営業時間短縮、観客数の上限、酒類提供の停止もあって、コロナ前より厳しい状況だったことに変わりなかった。

 女性アイドルのライブ現場も同様だ。物販売上の中心となるチェキ撮影も、コロナ禍では飛沫防止シートを挟んだ形で撮影をおこない、握手などの接触は禁止する対策が引き続きとられた。さらにファン側からも、コロナ感染を未然に防ぐためにライブ参加の自粛や、オタ卒(オタクを卒業すること)を選択する者もいた。

 そういった社会状況は、アイドルグループのメンバー、スタッフの多くに「活動のあり方」を改めて問い直させることになった。かつては毎日のようにトピックスが生まれていたアイドルシーンの速度が、コロナによって停滞、もしくは鈍足化した。グループは、活動を維持するための金銭面の問題、メンバーたちの進路について再考が迫られた。そのなかでいくつかのグループは苦渋の決断を下すことになった。

あゆみくりかまき、ポポロコネクトらが解散

 熊の衣装とパンキッシュなサウンドが特徴的だった、あゆみくりかまきは、2020年開催予定だった全国ワンマンライブツアーなどが中止に。そして2021年3月に解散を発表し、6月に活動を終了した。メンバーのあゆみは「コロナにより活動が制限され足を止められた時、それぞれが自身とあゆくまと向き合い、話し合った結果、この活動に終止符をうつという決断に至りました」とコメント。グループの活動期間は約9年。目標だった日本武道館公演は達成できなかったが、ラストライブでは「解散しても音楽は生き続けます」と前向きな言葉を残している。

AYUMIKURIKAMAKI「BOKURA NO KUMADAMASHII THE LAST LIVE〜KOREGA AYUMIKURIKAMAKI DA〜」(For J-LODlive)

 声優4人で構成されたポポロコネクトも、「飛躍を志して2年目を迎えたにもかかわらず、コロナ禍によって思うように活動ができなくなるという事態に見舞われました。不安が募る日々の中でメンバーの心境にも変化があり、それぞれ声優事務所を退所などするとともに、ポポロコネクトとしての活動についても辞退の申し入れがあった次第です」と公式発表。1月23日をもってグループは解散した。

 筆者だけかもしれないが、現在アイドルのライブを見ていると「コロナがなければ、このライブはどんな光景が広がっていたんだろう」と、本来あるべき姿について思いをめぐらせてしまう。コロナ禍になって約2年。ひとりの“アイドルライブの鑑賞者”としては、まだ受け入れられない現実をさまよっている。

美学を貫いたMaison book girl、ファンの心を掴んだCY8ER

 解散したなかには、コロナを要因としていないグループももちろんある。Maison book girlは、活動終了の理由を明言せずにステージを去り、結末までその世界観を貫いたところに美学を感じた。5月30日のワンマンライブ『Solitude HOTEL』前には、ホームページに謎のカウントダウン、文字化けした告知情報、歪んだメンバーの写真などが掲載され、不穏さが漂っていた。ワンマンライブ終了後、来場した観客にオフィシャルサイトのURLが記載された青い紙が手渡され、アクセスするとそこには「Maison book girlは削除されました。」と記載されていたのだ。「さっきのライブが最後だったの?」と動揺の声もあれば、予感していたというファンもいたようで、Maison book girlらしい異端かつ衝撃的な幕引きだった。ちなみにメンバーのコショージメグミは、古正寺恵巳として大森靖子プロデュースのグループ、MAPAを結成。活動を再び活発化させている。

Maison book girl / karma -Miii Remix- / 2020.08.11 – 孤独な箱で –

 “限られた時間の中で、夢を叶えて解散するユニット”という言葉とともに、日本武道館でのワンマンライブ『CY8ERなりの横浜アリーナ』で解散することを発表し、1月10日に終焉を迎えたのがCY8ERだ。このラストライブは、プロデューサー兼所属事務所代表でもあるメンバー・苺りなはむが、かつて在籍していたBiSが日本武道館のステージに立てず、横浜アリーナでのライブ『BiSなりの武道館』で解散したことへのリスペクトも込められていた。『CY8ERなりの横浜アリーナ』は、そういったドラマ性もあってファンの心を掴んだ。2020年1月にメジャーデビューを果たすなど絶頂期での解散という点も、語り継がれていく部分だろう。

CY8ER – CY8ERなりの横浜アリーナ @日本武道館 (Official Digest movie)

 グループへの在籍期間は“成長期限定”とし、2010年の“開校”からメンバーの加入と卒業を繰り返してきたさくら学院は、「(生徒たちの)より個々にあった育成を強化し、個人それぞれに特化した活動に注力していく変化が必要」との理由で閉校を宣言。8月31日の公演『さくら学院 The Final ~夢に向かって~』では生徒たちに卒業証書が手渡された。こちらもグループのテーマを守り切った終わり方だった。

 そのほか、ゆくえしれずつれづれ、グーグールル、DESURABBITS、かみやどらが2021年に解散・活動終了。いずれも実力派のグループとして人気を誇っていたことから、惜しむ声が相次いだ。



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