三代目 J SOUL BROTHERS、ソロ活動がもたらした表現の広がり 音楽、俳優、バラエティなど多方面での活躍

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)が11月10日、ファン投票による選曲を盛り込んだベスト&オリジナルアルバム『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』をリリースした。デビュー10周年を迎えた彼らは今年、グループとソロそれぞれで多数の作品を世に送り出し、有観客でのライブツアーも復活。アニバーサリーイヤーを駆け抜けた。

 歌をメインにソロ活動も展開している今市隆二、登坂広臣、ELLYの3人は、三代目JSBの楽曲制作を担うことも多く、中でもELLYが初めてセルフプロデュースを行った「TONIGHT」と、今市が作詞に携わった「線香花火」や「Honey」など、今年リリースされた新曲は、そのセンスや特性が落とし込まれたことによる音楽性の先鋭化を端的に示していた。

 彼らがここに至るまでには、各人のソロ活動によって積み上げられた技術と経験が密接に関わっていると言える。本稿ではその歩みを追うべく今市、登坂、ELLYのソロ作品を中心に一人ひとりの個人活動を振り返り、その特性を分析していきたい。

ELLY=CrazyBoy

 元より制作に携わる展望を持っていたELLYの活動展開は一際早かった。ラッパーとしての活動は2014年、EXILE SHOKICHIの楽曲「THE ANTHEM」への参加から始まり、そこから『HiGH&LOW』シリーズに登場する架空のチーム MIGHTY WARRIORSとしてのリリースを挟み、2017年にはCRAZYBOYとして『NEOTOKYO EP』を配信。その後もコンスタントにリリースを重ねている。

 初期の『NEOTOKYO EP』シリーズは、その前後に出されたMIGHTY WARRIORSとしての作風にも近しい攻撃的なシンセサウンドと、ダンサーとしても得意なジャンルであるR&Bの色味が強かった。CrazyBoyに名義を変更してからのシングル『DONNA???』以降は、徐々にミニマルなトラップサウンドへシフトしていくのだが、驚くべきはそうしてトレンドを直ちに吸収し作品を作り世に出す、というヒップホップ文化のスピード感に即したクリエイティビティである。その才は「TONIGHT」や「Honey」の洗練されたサウンドメイクにも反映されている。

CrazyBoy – DONNA??? (Official Music Video)

今市隆二

 一方で今市は、ELLYと同じくトレンドを敏感に追いつつも、ソロならではの本格R&Bのグルーヴを追求。The Weekendのプロデューサーとして知られるイルアンジェロがプロデュースした「Alter Ego」をはじめ、ブライアン・マックナイト、ニーヨなど錚々たる面々とコラボレーションしながら、自身の音楽表現を深めた。その探究心と音楽愛は、今年リリースされた全曲新曲の意欲作『CHAOS CITY』における徹底された80’sサウンドにも表れている。

 また、今市は2014年の「PRIDE」以降、作詞にもコンスタントに携わっており、今年は特に「線香花火」「JSB IN BLACK」「Honey」など多数の制作に関わっている。これらの詞における情感や語感の過不足ない味わいも、おそらくソロ作品を経て培われたものであろう。

RYUJI IMAICHI(今市隆二 / 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE) / Alter Ego (Music Video)

登坂広臣=ØMI

 登坂のソロ作品において特徴的なのは、その内省的表現により、グループの楽曲と明確に対照性を持たせている点にある。遡ると初期作品の『FULL MOON』は、三代目JSBにとって象徴的ジャンルであるEDMを当時のテイストで再解釈したような内容であった。そしてそこから「NAKID LOVE」「OVERDOSE」と徐々にダークに寄っていくサウンドの情景、楽曲間で内容が地続きとなるMVなどからは、すでに今年のEP作品『ANSWER… SHADOW』にも通ずる作風が見られる。

 今年5月にØMI名義でリリースされた『ANSWER… SHADOW』は、孤独や葛藤といった内面の“影”を端正なサウンドで描き切った新境地であった。さらに10月にはその“影”と対になる“光”たる回答として、配信シングル『ANSWER… SHINE』をリリース。このように段階を踏んで作品にストーリー性を持たせていく手法にも登坂自身のこだわりが感じられる。

ØMI – You (Prod. SUGA of BTS) -Official Music Video-



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