下野紘、竹達彩奈、木村昴ら……声優が発信する“食”にまつわるアクション
衣・食・住、いずれも生活していく上で欠かせない要素だが、新型コロナによる外出自粛期間などを通して、これまで以上に“食”に関心を寄せた人も多いはず。同じく自粛生活を余儀なくされた表現者たちも、YouTubeやSNS、またはTVなどで自らの食生活、または食へのこだわりを発信している。本稿では表現者=声優に的を絞り、“食”にまつわるアクションを総括していきたい。
アニメ『鬼滅の刃』シリーズの我妻善逸役での好演はもちろん、近年では連続ドラマやバラエティ番組でも活躍する下野紘は、日本唐揚協会が定める“2021年ベストカラアゲニスト”の声優部門にて選出されるなど(同賞を9年連続受賞中)、唐揚げ好きとして広く知られている。その熱量は凄まじく、各所でお気に入りの唐揚げや、実際に美味しく作れるレシピなどを紹介。さらに、ローソンの人気商品・からあげクンに関して、前山田健一(ヒャダイン)とともに“からあげクン 瀬戸内塩レモン味”を考案したほか、前山田がリミックスを手がけた「みんなで踊ろう!! からあげクン音頭♪ ヒャダインのリリリリ★リミックス」にも参加するなど、唐揚げの魅力を伝えるために多方面で尽力している。
なお、ベストカラアゲニストは過去男女それぞれで枠があったため、女性声優でも南早紀(2019年)、有野いく(2018年)らが受賞している。歌手や舞台役者らが喉を潤す意味で、よくステージ前にステーキなど脂分のあるものを食すという話は聞くが、同じく声でエンターテインメントを創造する声優たちにも、唐揚げは必要不可欠な食べ物なのかもしれない。
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音楽に関連したトピックで言えば、今年9月に竹達彩奈がリリースしたコンセプトアルバムも“食”にまつわる作品として、なかなか興味深いアイテムだ。『Méli-mélo meli mellow』と題した本作は、“食”をテーマに竹達がこれまで発表してきた楽曲(「マシュマロ」「Rice COMEnication」「ライスとぅミートゅー」など)に加え、霜降り明星の粗品が提供した「世界が一瞬だけ恋をするような時間」と、Miliこと葛西大和が手がけた「お月見団子は晩夏に冷えた」といった新曲を収録。1つの食べ物を取り上げた楽曲もあれば、リリックに食べ物や食事の風景が描かれたものなど、“食”をテーマのもと、その表現のバリエーションも楽しむことができる。
竹達本人いわく、「大食いのイメージがあるみたいなんですけど、そんなにいっぱい食べる自信はない」(※1)とのこと。様々な仕事を通じていつの間にか大食いというパブリックイメージが付いてしまったようだが、結果としてコンセプトアルバムをリリースするに至ったことも含め、竹達の企画を楽しむポジティブな姿勢、それを作品化する柔軟さをこの作品から感じることができる。